INFINOXは2021年9月現在日本人顧客の受け入れを停止しているようです。日本に進出したばかりですぐ受け入れを停止した理由は不明ですが、規制当局の問題か、またはPR活動があまりうまくいかなかったためかもしれません。日本に進出したものの短期間で撤退する海外FX業者というのは意外と多く、最近ではGKFXやVantage FXが撤退しました。
INFINOX(インフィノックス)という海外FX業者をご存じですか?
INFINOXは2009年に設立され、世界各国で事業展開をしているブローカーです。これまで日本人は利用することができませんでしたが、2021年4月から受け入れを開始しました。
日本での本格的なプロモーションがまだ行われていないため、日本での知名度は低いですが、親会社はイギリスのFCA(英国金融行為監督機構)のライセンスを持ってい大手FX業者なので、信頼性は抜群です。
安全性重視でブローカーを探している人におすすめだよ!
海外のFXサイトでも、XMTradingやExness(エクスネス)ほどではないですが、それなりに名前を見かけるブローカーなので、世界的な知名度は高いです。
スプレッドは狭めではありますが、取引スペックの面ではそこまで有利なわけではありません。INFINOXの大きな特徴は、万が一経営破綻した場合に資産返還が保証される保険制度があることでしょう。
この記事では、INFINOXのメリット・デメリットについて解説していきます。
INFINOXのメリットが一目で分かる!
INFINOX(インフィノックス)は、世界中で営業しているブローカーであるため、海外のFXサイトをよく見ているトレーダーの中では、日本への参入を待ち望んでいたという方もいるでしょう。
ここからは、FXトレーダーがINFINOXを利用するメリットを紹介していきます。
✔FCAライセンスを取得し信頼度が高い
✔破綻時の資産保証あり
✔最大500倍のハイレバレッジ
✔スタンダード口座のスプレッドが狭い
✔100種類近くの商品が取引ができる
それぞれのメリットを詳しく紹介します。
FCAを取得し信頼度が高い
INFINOX(インフィノックス)を運用している「INFINOX Capital Ltd SA」は、イギリスの英国金融行動監視機構(FCA)の金融ライセンスを取得しているブローカーです。
FCAは、世界の金融ライセンスの中でも審査が厳しいことで有名で、信頼性が高いです。
しかし、日本の金融庁の圧力によりFCAのライセンスを持つ海外FX業者は直接日本人を受け入れていません。これはExness(エクスネス)やHotForex(ホットフォレックス)など、他のFCAライセンスの海外FX業者もすべて同様で、金融規制の厳しくない国に紀保会社を作る形で日本人の受け入れを行っています。
しかし、親会社がしっかりした金融ライセンスを取得できる会社であるという点で、FCAライセンスの海外FX業者は人気が高いです。
海外FX業者の金融ライセンスについては、この記事にまとめました。
日本人を受け入れている子会社は、バハマのSCB(バハマ証券委員会)ライセンスを取得しています。バハマは金融サービスを提供するオフショアとしては歴史が長く、FXの規制も比較的しっかりしています。
破綻時の資産保証あり
INFINOX(インフィノックス)では、万が一経営破綻した場合に顧客の資産を補償する保険契約を締結しています。金額は最大100万ドル(約1億円)と十分な金額です。
海外にあるFX業者を使う場合、自分の大切な資産を預け入れることに不安を感じる方もいるでしょう。そのような方は、経営破綻時の資産補償があるブローカーを選ぶことをおすすめします。
海外FXと国内FXの違いは、分別管理なのか信託保全なのかというところにあります。国内FXの場合、信託保全が義務付けられているので、FX業者が万が一破産した場合、資産を管理していた第三者(信託銀行など)が顧客に対して資産の返還を行うことになっています。このため、確実に資産の返還を受けられます。
一方、海外FX業者は基本的に信託保全を行っていません。しかし、信託保全の代わりの制度として、保険の形で経営破綻時の資産補償を行っている場合があり、この保険がある海外FX業者は国内FXと同程度の安全性で利用できるということになります。
FX会社がつぶれても、保険会社が資産を返還してくれるよ!
INFINOX(インフィノックス)は情報公開にも積極的で、この保険契約の内容も詳細に公表しています。契約している保険会社は、世界的大手のロイズです。
なお、INFINOXのような保険をかけている海外FX業者は多くはないですが、他の海外FX業者では破綻時に資産が全く戻ってこないということはありません。
経理処理上、その海外FX業者の資産とは区別される分別保管を行っている業者がほとんどなので、FX業者の経営破綻時の損失の穴埋めに使われるということは起きないはずですが、保険がかかっていた方が、第三者である保険会社から確実に返還を受けられるという点でメリットになります。
最大500倍のハイレバレッジ取引に対応
INFINOX(インフィノックス)では、最大500倍までのハイレバレッジ取引に対応していることがメリットです。高いレバレッジを使ったトレードを行うことで、少ない投資資金で効率的に資産を増やすチャンスが増えます。
ほかの海外FX業者の中には、800〜1000倍などの極端に高いレバレッジを設定している場合もあるため、低いと感じる方もいるでしょう。しかし、高すぎるレバレッジの取引を行うことは、同時に一瞬で投資資金を失うリスクも高くなってしまいます。そのため、500倍までのレバレッジは適切だとも考えられます。
ただし、500倍なのはFX銘柄のみで、CFD銘柄のレバレッジは、銘柄ごとに個別の制限があります。
スタンダード口座のスプレッドが狭い
INFINOX(インフィノックス)のUSD/JPYでの平均スプレッドは、STP口座で1.2pips、ECN口座では0.3pips(取引手数料往復7.5ドル)となっています。
STP口座はECN口座と比べるとスプレッドは高くなっていますが、取引手数料が無料です。一方で、ECN口座は往復7.5ドルの取引手数料が発生しますが、スプレッドは最低0.0pipsとなっており、より有利な取引を行うことができます。
海外FX業者は、取引手数料なしでスプレッドが広めの口座タイプ(通称スタンダード口座)と、取引手数料ありでスプレッドが狭い口座タイプ(通称ECN口座)の両方を提供している場合が多いですが、通常、取引手数料分を加味してもECN口座の方が取引コストが安い場合が多いです。
しかし、INFINOXはスタンダード口座に相当するSTP口座と、ECN口座の取引コストにあまり差がありません。取引手数料がいくらかを考えず、単純にMT4に表示されるトレード損益のみを考慮してトレードできるので、スタンダード口座でも十分にスプレッドが狭いというのはメリットです。
なお、純粋にスプレッドの水準のみで考えると、もっと狭いスプレッドを提供しているブローカーもあります。特にスプレッドが狭いのは、こちらも最近日本に進出してきたThreeTrader(スリートレーダー)です。
INFINOXと同様に世界的に有名なブローカーであるExness(エクスネス)や、丁寧なサポートで日本人に人気のTitan FX(タイタンFX)もかなり狭い水準のスプレッドです。
INFINOXのメリットは主に、しっかりした資産保護を受けながら狭いスプレッドでトレードできるという点になります。
100種類近くの商品が取引ができる
INFINOX(インフィノックス)では、FXの通貨ペアは39種類で、それ以外にもゴールドやエネルギー、株、コモディティ、インデックス、仮想通貨などさまざまな種類の取引商品が用意されているため、トータル約100種類近くの銘柄が取引可能です。
上部の「取引」メニューに「外為」「各種指数」「コモディティ」「先物(CFD)」しか書かれていないため、取引できる種類が少ないような印象を受けるのですが、実際にはかなりCFD銘柄が豊富です。
一方、FX銘柄は39種類と、他の海外FX業者と比較すると少ないです。ただ、日本人がよく取引する通貨ペアはそろっているので、あまり問題はないでしょう。
STP口座とECN口座を比較すると、仮想通貨や商品が取引できるスタンダード口座の方が銘柄は豊富です。
STP口座
インデックス | AUS200、GER30、ESP35、EU50、FRA40、HKG33、IND50、JPN225、US100、UK100、US30、US500、US2000、ドルインデックス、VIX(恐怖指数)、CHINA50 |
仮想通貨 | ビットコイン(BTCUSD)、デジタルノート(XBNUSD)、エターナルトークン(XETUSD)、レヴィアコイン(XLCUSD)、リップル(XRPUSD) |
商品 | ココア、コーヒー、銅、コットン、オレンジ、大豆、砂糖、小麦 |
エネルギー | GAS、GASOIL、NGAS、UKOil、USOil、WTI Future |
株 | LSE、NYSE、NASDAQ、BME Spanish Exchanges、Deutsche Borse (XETRA)、Euronext Paris、Euronext Lisbon、Euronext Amsterdam |
先物 | DJ30ft、NAS100ft、SP500ft、GOLDft、SILVERft |
仮想通貨銘柄としては、イーサリアムやライトコインなどのメジャーな銘柄がなく、デジタルノートやエターナルトークン、レヴィアコインなど聞きなれない銘柄が多いです。これらの銘柄を試してみると使い方もありですが、そもそもレバレッジが2倍しかないので、仮想通貨の取引はメインにはしにくいでしょう。
他の海外FX業者で取引できる仮想通貨銘柄については、この記事にまとめました。
ECN口座
インデックス | AUS200、GER30、ESP35、EU50、FRA40、HKG33、IND50、JPN225、US100、UK100、US30、US500、US2000、ドルインデックス、VIX(恐怖指数)、CHINA50 |
仮想通貨 | なし |
商品 | なし |
エネルギー | UKOil、USOil、WTI Future |
株 | LSE、NYSE、NASDAQ、BME Spanish Exchanges、Deutsche Borse (XETRA)、Euronext Paris、Euronext Lisbon、Euronext Amsterdam |
先物 | DJ30ft、NAS100ft、SP500ft、GOLDft、SILVERft |
インデックスと株、先物の種類はSTP口座と同じですが、仮想通貨と商品銘柄の取り扱いがなく、エネルギー銘柄も少ないのが特徴です。FX銘柄の数は同じなので、FXメインで取引する方向きの口座タイプです。
多くの商品から自由に取引商品を選択できるため、より興味がありより利益が出しやすい商品を選んで取引できます。まずは、自分が取引してみたい商品があるかどうか調べてみることをおすすめします。
知っておきたいINFINOXのデメリット
INFINOX(インフィノックス)は、魅力的な部分も多くある海外FX業者ですが、トレードの方法によってはいくつかデメリットと思われる部分もあります。
トレーダーによっては、デメリットに該当する内容もあるかもしれませんので、事前にチェックしておきましょう。
✔FXでの通貨ペアが39種類
✔日本語の情報がまだ少ない
✔ロスカットレベルが50%と高めの設定
✔プラットフォームはMT4のみ
✔入金方法が銀行送金のみ
✔円建て口座不可
それぞれのデメリットを詳しく紹介します。
FXでの通貨ペアが39種類
INFINOX(インフィノックス)では、100種類近くの取引商品が用意されていますが、FXの通貨ペアは39種類となっています。他の海外FX業者では、50種類以上の取り扱いがあるので、この数は比較的少な目です。
しかも、メインの拠点が欧州だけあって、この39種類の中にはノルウェークローネなどの超マイナーな通貨ペアも含まれます。その分、日本人がトレードする可能性のある通貨ペアでは、ニュージーランド円(NZDJPY)などの取り扱いがないです。
そのため、人によっては、日ごろトレードしている銘柄がないと感じるかもしれません。ただ、メジャーな通貨ペアは揃っているため、メジャーな通貨で取引をしたいと考えている方の場合は満足な取引ができるでしょう。
日本語の情報がまだ少ない
INFINOX(インフィノックス)は2021年の4月に日本でのサービス提供を開始したブローカーです。そのため、INFINOXの日本語での情報は限られており、不安に感じる人もいるでしょう。
ただ、先ほどINFINOXのメリットでも解説したように、INFINOXはしっかりした金融ライセンスを複数取得しているほか、資産保障も世界的大手のロイズの保険に入っているため安心して取引ができる業者となっています。
今後よりINFINOXのユーザーも増えていくことが予想されていますので、不安な方は、日本人のユーザーが増えてきてから試してみるのもよいでしょう。
また、INFINOXは日本でサービス提供を始めて間もないため、日本語でのサポートに不慣れなところや日本語での解説が不十分に感じるところも一部見られます。しかし、サポートを日本語で行ってくれるため安心して利用できるでしょう。
今後、日本でのサービス運用が長くなれば、より日本向けのサービスも充実してくると考えられるため、期待して待ちましょう。
CFD銘柄のレバレッジが低い
CFD銘柄のレバレッジは、低めです。
多くの海外FX業者がCFD銘柄のレバレッジをFX銘柄より低く設定していますが、INFINOX(インフィノックス)は特にその制限が厳しいです。
仮想通貨 | 2倍 |
インデックス | 10~20倍 |
コモディティ | 10倍 |
エネルギー | 10倍 |
各銘柄のレバレッジはこちらのページで確認できます。
CFD銘柄のレバレッジが高いブローカーとしてはTitan FX(タイタンFX)が有名で、仮想通貨を除き、FX銘柄と同じ500倍のレバレッジを提供しています。
ロスカットレベルが50%と高めの設定
INFINOX(インフィノックス)では、損失が発生した場合にロスカットされる水準が50%に設定されています。ロスカットレベルが高いということは、少額での取引やハイレバレッジ取引を行っている場合、少しの値動きですぐにロスカットが執行される可能性があるため、思わぬ損失が出る可能性があります。
ほかの海外FX業者では、ロスカットレベルが20%など低い設定になっている場合もあるため、慣れている方は高いと感じることもあるでしょう。
しかし、レバレッジが500倍と高い場合、ロスカットレベルが20%なのか50%なのかは、大きな差はありません。どちらも、ロスカットされたらわずかな金額しか口座には残りません。
レバレッジが500倍よりも制限されるCFD銘柄の方は影響が出てくると思われるため、レバレッジが低い銘柄をトレードする場合は、気を付けましょう。
プラットフォームはMT4のみ
INFINOX(インフィノックス)の取引プラットフォームはMT4のみです。MT4はほとんどの海外FX業者が使っているメジャーなプラットフォームとなっています。
しかし、最近では動作速度も早く機能も増加したMT5が出現しているため、対応している業者も増えてきています。そのため、MT5が使いたいと思っている方は使いづらいと思うかもしれません。
入金方法が銀行送金のみ
INFINOX(インフィノックス)の入金方法としては、銀行送金、Skrill、Netellerの3種類の方法が公式サイトに記載されています。ただし、Skrill、Netellerは日本居住者は利用不可なので、日本人が利用できる入金方法は、実質的には銀行送金だけになります。
日本人はクレジットカード入金をを利用する人が多いですし、日本人向けの海外FX業者は、ほとんどがオンラインウォレットのbitwallet(ビットウォレット)に対応しているため、bitwalletユーザーも多いです。
このどちらにも対応していないということは、かなり使い勝手は悪いです。
円建て口座不可
INFINOX(インフィノックス)の口座は、ドル建てのみで、円建てができません。
ドル建て口座ではセント部分(10ドルだと「10.00」と表示されますが、「.00」の部分をセントと呼びます)も表示されますので、ざっくり1ドル=100円と計算して、「.」がないものと考えれば、大体円建て口座と同じように利用できますが、不便といえば不便です。
まとめ
INFINOX(インフィノックス)はまだ日本でのサービス提供をはじめて間もない海外FX業者です。
銘柄数やスプレッド、レバレッジなどの取引条件については、他にもっと条件のいい海外FX業者があるため、あえてINFINOXを選ぶメリットはないでしょう。
しかし、親会社や日本人を受け入れいている法人の金融ライセンスや、破綻時の資産保証の面では、他の海外FX業者よりも格段に優れています。
主に安全性を重視してトレードしたい方におすすめできる海外FX業者です。
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