海外FXでは、だいたいどこの業者も、複数の口座を用意しています。その中でも、一般的にスタンダード口座と呼ばれる取引手数料なしの口座と、ECN口座とも呼ばれる取引手数料ありの口座の2種類を用意しているブローカーが多いです。
口座タイプが複数あるのを見て、一体どの口座にすればいいのか迷う人もいるでしょう。
この記事では、取引手数料なしの口座とありの口座はどうちがうのか、またどちらがお得かを解説します。
海外FXのスタンダード口座とECN口座の違い
海外FXのスタンダード口座(手数料なし)とECN口座(手数料あり)には、次のような違いがあります。
- 損益表示の方法
- スプレッド
- ボーナス
- レバレッジ
損益表示の方法
手数料なしのスタンダード口座に比べて、ECN口座は、メタトレーダー4やメタトレーダー5での損益表示がややこしくなります。
スタンダード口座とECN口座の損益表示を比べてみます。画像はExnessのもので、左側がスプレッドのみのプロ口座、右側が取引手数料ありのゼロ口座です。
両方5万円からスタートしています。左側のプロ口座(黄色枠で強調)は、66円の損失が出ていて、口座の有効証拠金も5万円から66円を引いた49,934円となっています。
一方右側のゼロ口座(青枠で強調)を見てみると、44円しか損失が出ていない表示なのに、口座の有効証拠金は49,879円となっていて、大きく減っています。これは、エントリー時に取引手数料77円分が引かれているからです。
このため、一つのポジションでトータルで利益が出たかどうか、わかりにくくなっています。
プラマイゼロで逃げたいときに不便だっコ・・・
ちなみに、青枠の方は、ポジションの詳細情報も表示させていますが、MT5ではここにも取引手数料は表示されていません。別のページで注文履歴を表示させると、確認することができます。
1つのポジションの損益が一目で確認できないのは不便な仕様ではありますが、単に表示の問題で、頭の中で計算すればいいともいえるので、気にならない人は全く気にする必要はないです。
それよりも、ほとんどの業者でECN口座の方がトータルの取引コストが抑えらえる設定になっているので、お得に利用できるECN口座をおすすめします。
スプレッド
スタンダード口座とECN口座の取引コストを比較する際、スタンダード口座はスプレッドをそのままにして、ECN口座のスプレッドを、取引手数料相当分を加算したスプレッドにして比較する方法が一般的です。
例えば、スタンダード口座のスプレッドが1.2pips、ECN口座のスプレッドが0.2pips、取引手数料が1ロット7ドル(約700円)だった場合で考えてみます。
ドル円1ロットのポジションを持ったとき、100pipsレートが動くと10万円の損益になります。同じ比率で計算すると、0.7pips動いたときに700円の損益になります。
つまり、1ロット7ドルの取引手数料というのは、スプレッドが0.7pips上乗せされているのとほぼ同じ意味になります。ECN口座のスプレッドが0.2pips、取引手数料が1ロット7ドルだった場合、スプレッドはおよそ0.9pips相当と考えることができるというわけです。
通貨ペアによって微妙に違うけど、簡単に取引手数料100円=0.1pipsと考えるといいポン!
手数料は通常ドル建てで徴収されますので、1ドル=100円のときは1ドル=0.1Pipsと簡単に計算できます。しかし、1ドル150円などキリの悪い数字になるとやや計算しづらくなります。1ロット7ドルの取引手数料で1ドルが150円だった場合、スプレッドに換算すると約1Pipsになります。
先ほど計算したECN口座のスプレッド換算値は0.9Pipsなので、スタンダード口座が1.2pipsなどこれより高いスプレッドだった場合、ECN口座の方がお得と判断することができますね。
この計算で主要な海外FX業者のドル円スプレッドを比較してみます。
Titan FX スタンダード口座 | 1.33pips |
Titan FX ブレード口座 | 0.33pips (ロットあたり手数料3.5ドル) |
XMTrading スタンダード口座 | 2pips |
XMTrading ゼロ口座 | 0.1pips (ロット毎に発注・決済それぞれ手数料5ドル) |
Exness スタンダード口座 | 1.1pips |
Exness ゼロ口座 | 0.0pips (手数料3.5ドル) |
どの業者も、手数料分を上乗せしてもECN口座の方がスプレッドが有利という結果になりました。特にXMTradingは大きく開いています。ただ、XMの場合は、スタンダード口座はボーナス適用あり、ゼロ口座はなしという大きな差があるので、スプレッドの有利さにも差が出てくるのは仕方ないでしょう。
ほとんどの海外FX業者でECN口座の方が少しスプレッドが有利になるという傾向はありますが、あまり差がないブローカーや、ECN口座の方が不利なブローカーがあることもあります。
デモ口座などで、自分が使う予定のブローカーのスプレッドと取引手数料を計算してみるのがおすすめです。
ボーナス
ボーナスありの口座タイプとなしの口座タイプを両方提供している海外FX業者の場合、スタンダード口座がボーナス適用あり、ECN口座がボーナス適用なしになることが多いです。
先ほども触れましたが、ボーナス適用の有無に差をつけている業者としてはXMTradingがあります。XMのボーナスは豪華なので、ボーナスが受け取れなくなってしまうのは大きなデメリットです。そのため、XMの利用者はスタンダード口座を選択する人が多く、ECN口座に相当するゼロ口座はあまり人気がありません。
XMではほとんどの人がスタンダード口座を選んでいるポン!
スプレッドが広めでもボーナスが活用できた方が早く原資を増やせる可能性もありますので、どちらが自分に向いているか検討してみてください。
以下の記事では、ボーナスの活用方法をシュミレーションで紹介しています。
レバレッジ
必ずそうなるわけではありませんが、ECN口座の方がスタンダード口座に比べてレバレッジが低くなっているケースが多いです。
トータルの取引コストが優遇されるECN口座は、資金量の豊富な上級者が利用するケースが多くなるため、業者側のリスク管理としてレバレッジを下げているのではないかと思われます。
通常、資金量が多ければ多いほどレバレッジ制限は入りやすくなります。レバレッジが高いと、急激な値動きが起きた場合に、ロスカットが間に合わずブローカー側に損失が出てしまう可能性があるためです。
ゼロカットは海外FX業者が負担しているっコ
口座残高が低く取引量も少ない人は、ブローカー側に損失が出たとしても金額は少額になるため、レバレッジは高くできます。
例えばExnessは、下記の条件をクリアした場合に特別サービスとして無制限レバレッジ(最大21億倍)を提供しています。
✓取引口座の有効証拠金が1,000USD相当未満
✓本取引口座で指値注文以外の取引を10回以上行っている
✓本取引口座で合計5ロット(50万通貨)以上の取引を行っている
【まとめ】取引コスト重視ならECN口座
「初心者はスタンダード口座」とおすすめされることもありますが、スタンダード口座とECN口座は損益表示の方法が少し複雑になるくらいで、実質的な違いはあまりありません。
ボーナス適用有無が違う場合はどちらがお得かは取引スタイルにもよりますが、Titan FXなどほかの条件がほぼ同じの海外FX業者では、ECN口座を選んだ方がよいです。
特に難しいことはありませんので、ECN口座が気になった方はぜひ利用してみてください。
スタンダード口座・ECN口座に関するよくある質問
ここからは、海外FXのスタンダード口座・ECN口座についてのよくある質問を紹介します。
- 海外FXのスタンダード口座とECN口座の違いは何ですか?
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一般的にスタンダード口座は取引手数料なしの口座タイプ、ECN口座は取引手数料ありの口座タイプを指します。取引条件は海外FX業者ごとに異なりますが、以下のような点に違いがあることが多いです。
- スプレッド
- ボーナス
- レバレッジ
- 海外FXの初心者はスタンダード口座を選ぶべきですか?
-
いいえ、スタンダード口座を選ぶ必要はありません。取引手数料が発生するECN口座であっても、損益表示の方法が少し複雑になる程度なので、初心者の方でも問題なく利用できます。
ただし、一般的にスタンダード口座はボーナス適用対象になっていることが多いので、ボーナスを理由にスタンダード口座を選ぶのは初心者にもメリットがあります。
- 海外FXのスタンダード口座とECN口座はどちらがお得ですか?
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海外FX業者によって異なりますが、一般的には取引手数料が外付けのECN口座の方がトータルの取引コストが安くなることが多いです。
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