トルコリラが大暴落しています。少し前まではトルコリラ円が15円台の水準でしたが、急激に下がって今は8円台になっています。
すでに相当に下がっているわけですが、ファンダメンタル要因を考慮するとさらに下がるという見方が強いようです。しかし、もしここから上昇するようであればスワップポイント+値上がり益で大きな収益が見込めますね。
そろそろ底だろうとずっと言われているけどさらに下がっていっているね
十分にリスクを考える必要がありますが、トルコリラに賭けてみたいという方もいるでしょう。そこで、海外FX業者でトルコリラのポジションを持つ際の注意点やトルコリラスワップの計算方法、おすすめ海外FX業者も紹介します。また、損益シュミレーションで破綻しないポジション量にする方法を検証します。
海外FX業者でのトルコリラ取引の注意点
海外FX業者でトルコリラを含む通貨ペアを取引する際には以下の点に注意が必要です。
✔ トルコリラ円ではスワップ取引はできない
✔ スワップポイントを定期的に確認する
✔ ボーナスが消滅しないようにする
トルコリラ円はスワップ取引はできない
海外FX業者では、国内海外FX業者で人気のトルコリラ円の取り扱いはほとんどありません。FXGTやBigBoss(ビッグボス)ではトルコリラ円も取引できますが、スワップポイントは低く、スワップポイント目的の取引には向きません。
海外FX業者では、ドルトルコリラ(USDTRY)またはユーロトルコリラ(EURTRY)がスワップポイント目的の取引に利用できます。
どちらが有利かはそのときどきの政策金利によって変わりますが、ドルトルコリラよりユーロトルコリラの方がスワップ投資に向いている傾向があります。
最新の金利を比較するには、外為どっとこむの政策金利比較ツールが便利です(画像は2021年のものです)。
スワップポイントを定期的に確認する
スワップポイントは海外FX業者の方針で変更されることもありますので、スワップ目的で長期保有する場合は定期的にスワップポイントを確認する必要があります。
スワップポイントが不利になったら乗り換えも検討する必要があるね
まず前提として、スワップポイントは、海外FX業者が勝手に設定しているものです。
おおむね各国の政策金利に基づいて決定されますが、そこから海外FX業者が得る利益分が加味されますので、プラススワップとマイナススワップに差が生まれます。
スワップポイントであまり儲けようとしていない海外FX業者はプラススワップとマイナススワップの差を小さく設定しています。逆に儲けようとしている業者は差を大きくしているということですね。
この後、2024年3月時点の主要海外FX業者のトルコリラ銘柄のスワップポイントも紹介します。
ボーナスの消滅要件に注意する
海外FX業者の提供するボーナスも、スワップ目的のトルコリラの取引に利用できます。しかし、一定期間取引をしないとボーナスが消滅するなどの条件をつけている海外FX業者もあるので、ボーナスが消滅しないように注意が必要です。
クッション機能つきのボーナスは原資が増える効果がありますので、含み損が増えてもロスカットされにくくなります。
ロスカットを避けれれば、レートが回復するのを待てるね
スワップ目的の長期保有はロスカットされてしまうと全資金が無駄になってしまうので、ロスカットを避けることが重要です。そのため、ボーナスで原資が増えるメリットは非常に大きいです。
ボーナスが受け取れる口座タイプは通常スプレッドが広いため、デイトレードなどの通常のトレードであれば取引コストが高くなってしまいますが、スワップ目的で長期保有する場合は影響は小さいです。
ボーナスの消滅要件を満たしてしまわないように、定期的に取引するなどの対策を取れば、ボーナスのメリットを活用できます。
海外FXのトルコリラスワップの計算方法
海外FX業者のトルコリラのスワップポイントは、XMTradingやTraders Trustなどの一部の海外FX業者では公式サイトのスワップ計算機で確認できます。
そのほかの海外FX業者は少し計算が複雑になりますが、MT4・MT5で確認することになります。
スワップの計算方法と数値を確認する
MT4・MT5では、スワップポイントの計算方法が3種類(ポイント、金額、パーセンテージ)あります。FX通貨ペアはこのうち「ポイント」が使われることが多いです。
以下の手順でスワップの計算方法(スワップタイプ)と数値を確認してください。
気配値の銘柄名の上で右クリックをすると表示されるメニューから「仕様」を選択します。
下にスクロールすると表示される「スワップタイプ」の欄を確認します。その下の「買スワップ」と「売スワップ」の欄に書いている数値を、スワップタイプごとの計算式にあてはめるために使用します。
実際のスワップポイントを計算する
MT4・MT5の仕様から確認した数値を計算式にあてはめて、スワップポイントを計算していきます。
詳しい計算方法はこちらの記事で紹介していますが、ここではユーロトルコリラを例に計算方法を簡単にまとめます。
「スワップタイプ(計算方法)がポイント、レート表示が5桁、1ロットの単位が10万通貨」という条件のブローカーでは、以下の式でスワップポイントが計算できます。海外FX業者はほとんどのブローカーで上記の条件なので、特殊な口座タイプの場合のみ注意してください。
MT4・MT5上のポイントの数値が「345.13」のブローカーで、トルコリラ円のレートが8.2円だと、以下の計算で「2830円」が1ロットで受け取れるスワップポイントになります。
海外FX業者のトルコリラ投資のリスクと適切なポジション量
トルコリラ投資をする際は、強制ロスカットされないポジション量にすることがとても大切です。ロット数を上げれば得られるスワップ利益も増えますが、途中で強制ロスカットされてしまっては意味がありません。
具体的には、「どこのレートまでトルコリラが値下がりしたら強制ロスカットされるか」を計算しておく必要があります。
ここからは、適切なポジション量を考えるための具体的な方法を紹介します。
最大損失を把握する
自分の資金量と保有予定のポジション量が決まっていれば、どの程度の値動きまで耐えることができるかを計算できます。
その際に参考になるのは「pips値」です。
pips値の計算には、XMTradingの計算ツールが便利です。ほかの海外FX業者でも、1ロットの取引量が10万通貨の口座タイプであればこのツールで計算した数値と同じになります。
XMTradingの人気ツールだよ!
pips値の計算ツールで銘柄名を「EURTRY」、口座の基本通貨を「JPY」、口座タイプを「Standard」、ロット数を「1」と入力して計算すると、日本円でのpips値は「82」と表示されます。
1pipsが82円ということは、100pips値動きすると8,200円、1,000pips値動きすると8万2,000円、1万pips値動きすると82万円ということが計算できますね。
100万円を入金すると、ざっくり1万2,000pips程度の値動きには耐えられるということです。
値動きの幅を予測する
1万2,000pips耐えられるという前提で、次は1万2,000pipsを超える値動きが発生する可能性がどれぐらいあるのかを予測しましょう。
こちらはトルコリラの月足チャートです。赤のラインが現在レート、黄色のラインがそれより1万2,000pips分上のレートを示しています。
しかも、2021年11月の月足では4万6,000pips急上昇していますので、1万2,000pips程度の値幅では、最悪1か月であっという間に到達してしまう可能性があるということです。
トルコリラ安はものすごいね!
となると、100万円の資金で1ロットのポジション量は多すぎるという判断になる人がほとんどでしょう。 それではどのロット数が適切なのかという問題ですが、それはどのくらいのリスクを取るかによっても変わってきます。
2021年11月の値動きはかなり急でしたし、同様の値動きが発生する可能性は低いと予想するなら、青のラインにすぐに到達してしまう可能性はあまり高くないでしょう。しかし、数年単位で保有することを前提にすると、いずれこのラインも突破されてしまうかもしれません。
1年間の収益を考える
年数が経過するごとにスワップポイントがたまっていくので、有効証拠金が増え、強制ロスカットラインは上がっていきます。
スワップポイントが2,830円だった場合、0.33ロット保有していたら1年間のスワップポイントは約33万円です。
レートが変わればpips値も変動しますが、仮にpips値が82円のままだとすれば、これは4,000pipsに相当しますね。 そのため、1年耐えるとロスカットラインが少し上に行き、紫のラインになります。
残念なことにあまり変わらないね!
2021年11月に急激な値動きが発生する前の1年間、つまり2020年10月から2021年11月を見ても実は3万pips以上の値動きが発生しています。
それを考えると、100万円の資金に対して0.33ロットのポジションを持ち、初期状態で強制ロスカットラインまで3万6,000pipsの猶予があり、毎年4,000pips分強制ロスカットラインが移動するといっても、十分な水準ではないことがわかりますね。
トルコリラは買ってはいけないという風に言われることもありますが、データで見てみると確かに非常にリスクが高いように見えます。
トルコリラのスワップポイントが高い海外FX業者
2024年3月時点でトルコリラのスワップポイントが高い海外FX業者を紹介します。
トルコリラのスワップポイントが最も高いのはXMTradingの11,398円です。最近トルコがさらに政策金利を引き上げたことで非常に高い金額になっています。
次にスワップポイントが高いTitan FXとAxioryはボーナスの提供がない海外FX業者なので、XMTradingはボーナスで有効証拠金を増やす効果があるというメリットもあります。
Titan FXとAxioryはスプレッドの狭い海外FX業者なので、トルコリラを長期保有しつつ余裕のある証拠金でほかの通貨ペアの短期トレードをするのにも向いています。
トルコリラへの投資は慎重に
2021年に8円台だったトルコリラが2024年には4円台に下がるなど、トルコリラは非常にリスクの高い通貨です。
しかし、ここで完全にトレンド転換してリラ高に向かえば、高い利回りを得ながらトルコリラの値上がり益も手にすることができます。
特に、XMTradingは現在非常に高いスワップポイントを提供しているので、スワップポイント目的で保有するにはチャンスかもしれません。
トルコリラへの投資で最悪の事態は、底がない(つまり最悪デフォルトして0円まで行ってしまう)ことです。もし投資する場合は、必ず余剰資金で行いましょう。
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