先日買ってみたBitDAOのBITトークンが「Onsenプログラム」の対象になるそうなので、参加してみました。
Onsenプログラムというのは、「2x Reward Farms(2倍報酬ファーム)」とも呼ばれるものです。仕組み自体は、仮想通貨をペアでSushiSwapに預け入れる通常のイールドファーミングですが、新しい仮想通貨の立ち上げ時に、特に報酬を上乗せして渡すことで、流動性を高めようとするプログラムです。
仮想通貨をペアで預け入れる場合、変動損失が怖いですが、せっかく報酬上乗せ期間があるので、保有しているBITトークンを預けてみました。
変動損失がよくわからない人は、本文中で解説しているよ!
この記事では、BITトークンでOnsenプログラムに参加する方法や参加するリスクを解説します。
Onsenプログラムの参加方法
Onsenプログラムに参加するには、2つのステップが必要です。
①BIT-ETH SLPトークンを作成する
②BIT-ETH SLPトークンを預け入れる(ステークする)
SLPとは、SushiSwapでファーミングを行う際に使われるトークンです。
BITトークンとイーサリアム(ETH)をペアにすることでSLPを作成し、ステークはSLPで行うイメージです。
では、それぞれの手順を具体的に図解します。MetaMaskなど資金を移動させるウォレットは、SushiSwap上部の「Connect to a wallet(ウォレットを接続する)」ボタンから接続できます。
BIT-ETH SLPトークンを作成する
BITトークンとイーサリアム(ETH)のペアでSLPを作成するための専用ページが用意されているので、そこにアクセスします。
このページで、預け入れるBITトークンまたはイーサリアム(ETH)の量を入力し、「Confirm Adding Liquidity(リクイディティの追加を確認する)」ボタンをクリックします。
流動性プールに仮想通貨をペアで預け入れるファーミングでは、2つの仮想通貨を、預け入れ時点での価格が同じになる比率で預け入れる必要があります。このため、2つのうちどちらかの量を入力すると、もう片方も自動で入力されます。
ウォレットに接続していると、ウォレットの残高も自動で表示されるので、「MAX」ボタンを押せば、ウォレット内のすべての資金分の金額を入力することもできます。
「Confirm Adding Liquidity(リクイディティの追加を確認する)」ボタンをクリックすると、どの程度の量を預け入れるかの確認画面が表示されるので、「Confirm Supply(供給を確認する)」ボタンをクリックします。
その後、接続しているウォレットの側で、送金を行うことの確認が表示されるため、確認を行います。MetaMaskだと、「確認」ボタンを押します。
送金が完了すると、画面上に「Your Position(あなたのポジション)」が表示されます。
これで、SLPの作成は完了です。続いて、BIT-ETH SLPを預け入れる(ステークする)手順に移ります。
BIT-ETH SLPトークンを預け入れる(ステークする)
「2x Reward Farms(2倍報酬ファーム)」の参加ページにアクセスし、BIT-ETHのペアを探します。
銘柄名「BIT/WETH」をクリックし、このプログラムにステーキングしたいSLPの量を入力して、「Stake」ボタンを押します。
このプログラムで使うためにSLPにしたわけなので、基本的には「MAX」ボタンを押して全部いれましょう。
SLPトークンは、MetaMaskなどのウォレットに保管されているのですが、この使用許可を求められますので、「確認」をクリックします。
その後、再度「Stake」ボタンを押すと、今度はウォレットから送金することへの確認が表示されるため、MetaMaskの場合「確認」ボタンをクリックします。
これで送金処理が行われます。送金中は、上部に表示されるウォレットアドレスの部分が変更され、「Pending」と表示されます。送金が完了したら、またウォレットアドレスに戻ります。
きちんとステークできたかどうかは、「Farm(ファーム)」メニュー内の「Your Farms(あなたのファーム)」ボタンをクリックすると、確認できます。
報酬の確認方法・ステーク解除方法
受け取った報酬の確認やステークの解除は、「Farm(ファーム)」メニュー内の「Your Farms(あなたのファーム)」ボタンをクリックして行います。
自分が参加しているファーミング一覧が表示されるので、詳細を確認したいペアをクリックします。
各銘柄ペアごとの詳細情報が表示されます。最下部にある「Harvest」の欄が、これまでに受け取った報酬です。また、ステークを解除したいSLPの量を入力して「Unstake」ボタンを押すと、ステークが解除できます。
Onsenプログラムのリスク
Onsenプログラムは、通常のファーミングでもらえる報酬が増えるというだけなので特にリスクはありません。ただし、2つの仮想通貨を預け入れるファーミング全般のリスクとして、「変動損失」があります。
変動損失はかなりややこしいよ!
まず前提として、このプログラムでは、分散型取引所(DEX)に仮想通貨のペアを預け入れることでファーミング報酬がもらえます。
DEXは取引所なので、例えばある仮想通貨Aを別の仮想通貨Bに変えたいというお客さん、または逆に仮想通貨Bを仮想通貨Aに変えたいというお客さんのために、常にさまざまな仮想通貨を保有しておく必要があります。デジタルデータではありますが、大量の仮想通貨を一か所に集めているイメージで、この仕組みが「流動性プール」と呼ばれています。
この流動性プールに自分の持っている仮想通貨を預けて、運営に貢献しているため、ファーミングで報酬がもらえます。
前提の次は、変動損失そのものの説明だよ!
仮想通貨をペアで分散型取引所(DEX)の流動性プールに預け入れて、一定期間後に引き出す場合、預け入れた枚数ではなく、引き出し時にプール内に存在するそのペアの比率に応じて引き出すことになります。
このため、大きな価格変動があったときに、預け入れた枚数でそのまま保有していた方が、全体の時価総額が大きくなり、ファーミングを行ったことで損をしてしまうという可能性もありえます。
例えば、預け入れ時にETHと同じ価格の仮想通貨Xがあったと仮定します。預け入れ時は1ETHと1Xを預け入れましたが、その後、ETHの価格が上昇すると、Xを売ってETHを買う取引が盛んにおこなわれます。
「Xを売ってETHを買う」というのはトレーダー目線の話なので、取引所の流動性プールの側から見ると、「Xがどんどんプールに追加され、ETHがプールから出ていく」という状態になります。
すると、プール内のETHは減り、Xが増えてしまいます。
この状態で引き出しを行うと、1ETHと1Xで預け入れていたにもかかわらず、プール内の割合に応じて、受け取れるETHが減る代わりに、受け取れるXは増えます。
このときのETHとXの合計の時価総額が、預け入れ時の1ETHと1Xの時価総額と比較して減少していた場合を「変動損失」と呼びます。
仮想通貨を預け入れるだけでなぜ報酬がもらえるのか、ということを考えると、変動損失のリスクが発生してしまうのも仕方がないことですね。
変動損失が発生したとしても、受け取れる報酬を加味すればトータルで儲けがでるということもあり得ます。リスクとリターンを考慮して、どれぐらいステークするのかを決めるのがいいでしょう。
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