TGEって何?仮想通貨の新規上場イベントToken Generation Eventを簡単理解

仮想通貨の世界に少し慣れてくると、新しいプロジェクトやトークンに関する情報に触れる機会が増えてきますよね。そんな時、「TGEに参加しよう!」「TGE後に価格が上がるかも?」といった言葉を目にすることがあるかもしれません。

でも、「TGEって、一体なんだろう?」「ICOとかIEOとか、似たような言葉がたくさんあってややこしいな…」と感じている方もいるのではないでしょうか。特に、難しい専門用語が苦手で、サクッと要点だけ理解したい「ずぼらさん」にとっては、新しい言葉が出てくるたびにうんざりしてしまうかもしれません。

安心してください!この記事では、仮想通貨の「TGE(Token Generation Event)」について、その名前が示す通り「トークンが生まれるイベント」として、分かりやすく解説します。他の似たような言葉(ICO, IEO, IDO)との違いや、あなたがTGEに関わる可能性があるのか、もし関わるならどんなことに気をつけるべきなのかを、専門用語は最小限にして説明していきます。

この記事を読めば、TGEがどんなイベントなのか、そしてそれが仮想通貨の世界でどんな意味を持つのかが、きっとスッキリ理解できるはずです。

目次

そもそもTGEって何?(Token Generation Eventの基本)

まずは、TGEという言葉の基本的な意味から確認しましょう。TGEは「Token Generation Event」の頭文字を取った略称です。直訳すると「トークン生成イベント」となります。

TGEは「新しい仮想通貨が誕生する瞬間」

その名の通り、TGEとは、新しい仮想通貨(暗号資産)のトークンが、そのブロックチェーン上で初めて公式に発行(生成)されるイベント全般を指します。

例えるなら、国がお金(紙幣や硬貨)を印刷して市場に流通させる、その最初の「印刷開始セレモニー」のようなものです。ただし、仮想通貨の場合は物理的な印刷ではなく、ブロックチェーン上でデジタルデータとしてトークンが「生成」されます。

このイベントが行われることで、そのプロジェクトの仮想通貨が正式に存在し、技術的にやり取りできる状態になります。TGEは、新しい仮想通貨プロジェクトにとって、そのトークンを世に送り出す、非常に重要なマイルストーンとなります。

なぜTGEというイベントが必要なの?

プロジェクト側は、なぜわざわざ「TGE」というイベントを行うのでしょうか?そして、私たちユーザー側にとって、それがどんな意味を持つのでしょうか?

プロジェクト側の目的

  • トークンの発行: プロジェクトの目的や機能に応じて、必要な枚数のトークンをブロックチェーン上に生成します。これがなければ、そのプロジェクト独自の経済圏は始まりません。
  • 初期参加者への配布: TGEのタイミング、またはその前後に、プロジェクトを支援してくれた初期の投資家や貢献者(コミュニティメンバーなど)に対して、約束通りにトークンを配布します。これには、資金調達ラウンドに参加したVC(ベンチャーキャピタル)やエンジェル投資家、コミュニティセールやエアドロップ参加者などが含まれます。
  • 流動性の確保: トークンが生成された後、仮想通貨取引所などに上場することで、多くの人がそのトークンを自由に売買できるようになります。これを「流動性の確保」と呼び、TGEは、この流動性確保に向けた重要なステップとなります。
  • プロジェクトの認知度向上: TGEは、プロジェクトの存在を広く知ってもらい、コミュニティの関心を高めるためのイベントでもあります。

参加者にとっての意味

  • 早期投資機会: TGEの前に行われる「プレセール」や、TGEと同時に行われる「パブリックセール」に参加することで、トークンが一般市場で取引される前に、比較的安価な価格で入手できる機会が得られる可能性があります。
  • プロジェクトへの貢献: コミュニティ活動への参加や、テストネットへの貢献などが認められた場合、TGEで生成されたトークンの一部がエアドロップとして配布されることがあります。これは、プロジェクトへの貢献に対する報酬と言えます。
  • 将来の価値上昇への期待: TGEを経て取引所に上場し、プロジェクトが計画通りに進んでいくことで、保有するトークンの価値が上昇する可能性に期待できます。

TGEは単にトークンが生まれるだけでなく、プロジェクトの活動を本格化させ、早期の参加者やコミュニティに報いるための、重要な一連の流れの中核をなすイベントと言えます。

TGEの一般的なプロセス

TGE自体は「トークンが生成される瞬間」ですが、その前後に様々なプロセスが伴います。

TGEまでの主なステップ

  • プロジェクトの構想・開発: まず、プロジェクトのアイデアが生まれ、技術開発が進められます。
  • ホワイトペーパー公開: プロジェクトの目的、技術、トークンエコノミーなどが記載された詳細な文書(ホワイトペーパー)が公開されます。
  • 資金調達ラウンド: VCや機関投資家などを対象としたプライベートセール(シードラウンド、シリーズAなど)で資金を集めるのが一般的です。
  • コミュニティ形成: SNSなどを活用してプロジェクトの認知度を高め、コミュニティを形成します。
  • プレセール/パブリックセール: 一般の個人投資家などを対象としたトークン販売が行われることがあります(必ず行われるわけではありません)。
  • エアドロップ実施(可能性): プロジェクトへの貢献者などに無料でトークンを配布することがあります。
  • TGE(トークン生成): ブロックチェーン上で正式にトークンが発行されます。
  • 取引所への上場: TGEとほぼ同時、またはその後すぐに、仮想通貨取引所での取引が開始されます。

このように、TGEは一連のプロセスの中の特定の時点を指し、その前後の活動も含めて理解することが重要です。仮想通貨の「新しい波」に乗るためには、これらのプロセスを把握しておくことが役立つでしょう。

TGEはICOやIEO、IDOとどう違うの?(新規発行手法の比較)

仮想通貨の世界では、新しいトークンが登場する際に、「TGE」以外にも「ICO」「IEO」「IDO」といった言葉をよく耳にしますよね。これらは全て、新しいトークンを世に送り出すプロセスや資金調達に関連する言葉ですが、それぞれに違いがあります。

紛らわしい用語を整理しよう

これらの言葉が混同されやすいのは、どれも新しい仮想通貨が市場に出回るきっかけとなるイベントだからです。しかし、その「主体」や「仕組み」に違いがあります。ここでは、それぞれの用語が何を意味するのか、簡単に整理してみましょう。

ICO(Initial Coin Offering)

  • 意味: プロジェクト自身が、自ら開発したトークンを投資家(個人・法人問わず)に直接販売して資金を調達する手法です。「Initial Coin Offering」は「最初のコイン売り出し」という意味合いです。
  • 特徴: 2017年頃に大流行しましたが、プロジェクトの信頼性や実体のない詐欺的な案件も横行し、多くの規制問題や投資家トラブルを引き起こしました。プロジェクト側と投資家が直接やり取りするため、仲介者がいません。
  • TGEとの関係: ICOは「資金調達の手法」や「トークン販売イベント」を指すのに対し、TGEはあくまで「トークンが生成される技術的なイベント」そのものを指します。ICOの実施とTGEのタイミングは重なることも多いですが、TGEはICOの一部というより、ICOを成功させるために必要な技術的なステップと言えます。

IEO(Initial Exchange Offering)

  • 意味: プロジェクトが発行したトークンを、仮想通貨取引所が審査し、その取引所を介して投資家に販売する手法です。「Initial Exchange Offering」は「取引所による最初の売り出し」という意味合いです。
  • 特徴: プロジェクトの審査や販売プロセスを取引所が担当するため、ICOに比べて信頼性や安全性が高いとされています(ただし、取引所のリスクはゼロではありません)。取引所の顧客がそのまま購入者候補となるため、マーケティング効果も期待できます。Gate.ioのStartupなどが有名です。
  • TGEとの関係: IEOは「取引所を通じたトークン販売の手法」であり、TGEは「トークンが生成される技術的なイベント」です。通常、TGEが完了してから、取引所でのIEOが実施される、という流れになります。

IDO(Initial DEX Offering)

  • 意味: プロジェクトが発行したトークンを、DEX(分散型取引所)を介して販売する手法です。「Initial DEX Offering」は「分散型取引所による最初の売り出し」という意味合いです。
  • 特徴: 中央集権的な取引所ではなく、スマートコントラクトなどによって自動化されたDEX上で実施されるため、より分散的で透明性が高いとされています。誰でも自由に(条件を満たせば)参加しやすい反面、詐欺プロジェクトが参入しやすい、ガス代が高騰しやすいなどの課題もあります。PancakeSwapやUniswapなどのDEX上でローンチパッドを通じて行われることが多いです。
  • TGEとの関係: IDOも「DEXを通じたトークン販売の手法」であり、TGEは「トークン生成イベント」です。TGE後、DEX上でIDOが実施されるのが一般的です。

用語の使い分け:資金調達か、生成か

これらの用語を簡単に使い分けるなら、以下のようになります。

資金調達・販売手法

  • ICO: プロジェクト自身が直接販売(過去に流行)
  • IEO: 取引所が仲介して販売
  • IDO: DEXが仲介して販売

トークン生成イベントそのもの

  • TGE: トークンがブロックチェーン上で初めて発行される技術的なイベント

つまり、ICO、IEO、IDOといった「資金調達や販売の手法」を実行するために、その前提としてTGE(トークン生成イベント)が完了している必要がある、と理解すると分かりやすいでしょう。新しいプロジェクトがトークンを販売(Offering)する前に、まずはトークンを「生成(Generate)」する、という順番です。

最近は、上記以外にも「IGO (Initial Game Offering)」「IMO (Initial Metaverse Offering)」など、特定の分野に特化した新規トークン販売手法も出てきていますが、基本的な考え方はIEOやIDOに近いです。また、特定の取引所のローンチパッド(新規上場支援プラットフォーム)を通じて、TGE後のトークン配布や初期販売が行われるケースも一般的です。

仮想通貨の世界で新しい言葉に出会った時は、焦らず、それが何をするものなのか、誰が主体なのか、そして自分にどう関係があるのかを落ち着いて調べてみることが大切です。

TGEに参加するって、どんなメリット・デメリットがあるの?

TGE自体はトークンが生まれる技術的なイベントですが、多くの場合、そのタイミングで一般ユーザー向けのトークン販売や配布が行われることがあります。もしあなたがそのような機会に参加できるとしたら、どんな良い点と、どんな注意点があるのでしょうか?

TGE参加の潜在的なメリット

TGE前後のトークン販売やエアドロップなどの機会に、もしあなたが参加できた場合、以下のような潜在的なメリットが考えられます。

早期の安価での購入機会

  • TGE前のプライベートセールや、TGEと同時に行われるパブリックセールは、そのトークンが仮想通貨取引所で自由に売買されるようになる前に行われます。
  • 多くの場合、これらの早期販売段階では、取引所に上場した後の価格よりも割安な価格でトークンが提供される傾向があります。これは、プロジェクト側が早期の支援者に対してインセンティブを与えるためです。もしプロジェクトが成功し、トークンの価値が上昇すれば、早期参加者はその値上がり益を大きく得られる可能性があります。

エアドロップによる無償のトークン獲得

  • 新しいプロジェクトの中には、TGEのタイミングで、プロジェクトの認知度向上やコミュニティへの貢献に感謝を示す目的で、エアドロップを実施することがあります。
  • これは、特定の条件(例:プロジェクトのテストネットに参加した、公式SNSをフォローした、早期からコミュニティに積極的に参加したなど)を満たしたユーザーに対して、トークンを無償で配布するものです。
  • もしあなたが条件を満たしていれば、お金を払うことなくトークンを受け取れるチャンスがあります。これが、新しい仮想通貨を「楽に」「タダで」手に入れる方法として、一部のずぼらさんや情報通の間で人気を集める理由の一つです。(ただし、エアドロップにも偽物や詐欺が多いので注意が必要です。)

プロジェクトの成長を応援する満足感

  • あなたが魅力を感じたプロジェクトの初期段階に参加することで、そのプロジェクトが成長していくプロセスを間近で見守り、応援する満足感を得られます。
  • コミュニティの一員として、フィードバックを提供したり、テストに参加したりすることで、プロジェクトの発展に貢献できるやりがいを感じる人もいます。

仮想通貨投資の魅力の一つである「値上がり益を狙う」ことについて、もっと基本的な仕組みを知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
ズバリ!仮想通貨で「増える」ってどういうこと?簡単な仕組みだけ解説

TGE参加に潜むデメリットとリスク

TGE前後の機会に参加することは、大きなリターンを生む可能性がある一方で、非常に大きなリスクも伴います。

プロジェクトが失敗するリスク

  • 新しい仮想通貨プロジェクトの多くは、まだ具体的な製品やサービスが完成していなかったり、市場での実績がなかったりする段階です。
  • 開発が計画通りに進まない、競合に負ける、資金が尽きるなど、様々な理由でプロジェクト自体が頓挫してしまうリスクは非常に高いです。プロジェクトが失敗すれば、発行されたトークンの価値もほぼゼロになってしまいます。

詐欺プロジェクトに遭遇するリスク

  • 仮想通貨の新規発行イベントは、残念ながら詐欺師の格好の餌食となりやすい場でもあります。「必ず儲かる」「今買わないと損」といった甘い言葉で誘い、お金だけ集めて開発を放棄したり、最初からトークンを配布するつもりがなかったりする、いわゆる「ラグプル(Rug Pull)」といった詐欺が後を絶ちません。
  • 特にICOが流行した時期には、多くの詐欺案件が生まれました。IEOやIDOは取引所やDEXを介するため多少フィルタリングされますが、それでもリスクがゼロになるわけではありません。
  • 怪しい儲け話や、公式情報かどうかも分からない情報源からの案内には、くれぐれも注意が必要です。

トークンの価格が暴落するリスク

  • たとえプロジェクトが成功したとしても、TGEや上場直後のトークン価格は、市場の雰囲気、初期参加者による売り(利確)、他の新しいトークンとの競争など、様々な要因で大きく変動します。
  • 特に、早期販売で安くトークンを手に入れた投資家が一斉に売りに出すことで、上場直後に価格が暴落する可能性(「上場ゴール」と呼ばれることも)は十分にあります。
  • 購入できたとしても、その後の価格が大きく下落し、購入した価格よりも低い値段になってしまうリスクは常に伴います。

トークンがロックアップされるリスク

  • TGEや早期販売で取得したトークンは、購入後すぐに全て自由に売買できるとは限りません。
  • 多くのプロジェクトでは、市場への急激な売り圧力を抑えるため、または参加者に長期的な保有を促すために、取得したトークンに「ロックアップ」という期間を設けています。
  • ロックアップ期間中は、トークンを売却したり、送金したりすることができません。例えば、「購入量の10%はTGE直後に配布、残りは3ヶ月後から毎月〇%ずつ配布」といったルールが設定されることがあります。
  • ロックアップ期間中に市場価格が大きく下落しても、トークンを売ることができない、というリスクがあります。

TGE前後のイベントへの参加は、大きなリターンを期待できる可能性がある一方で、失うリスクも非常に大きいハイリスク・ハイリターンな投資行動です。特に初心者は、これらのリスクを十分に理解し、細心の注意を払う必要があります。

TGEに関わる上で、初心者が絶対に気をつけること

TGE前後のトークン獲得機会に興味を持ったとしても、衝動的に参加するのは非常に危険です。特に仮想通貨に慣れていない初心者が、安全に、そして後悔しないために、TGEに関わる上で絶対に守ってほしい注意点があります。

失敗しないためのプロジェクト選びのポイント

TGEが行われるプロジェクトは、星の数ほどあります。その中から、将来性のある、そして少なくとも詐欺ではないプロジェクトを見極めるのは簡単ではありません。しかし、以下の点をチェックすることで、リスクを減らすことができます。

ホワイトペーパーとロードマップをチェック

  • プロジェクトの公式サイトには、必ずと言っていいほど「ホワイトペーパー」という詳細な説明書があります。プロジェクトの目的、解決しようとしている課題、技術的な仕組み、トークンの使い道(ユーティリティ)、発行計画などが書かれています。これを読み、プロジェクトに実現可能性があるか、トークンに価値が生まれる根拠があるかを判断しましょう。
  • 「ロードマップ」も重要です。これは、プロジェクトが今後いつまでに何を達成するのかを示す計画表です。具体的な目標やスケジュールが示されているか、現実的な内容かをチェックしましょう。
  • 注意点: ホワイトペーパーやロードマップが立派でも、それが実行されるかは別問題です。内容を鵜呑みにせず、あくまで参考情報として捉えましょう。

チームメンバーを確認

  • どんな人たちがプロジェクトを運営しているのかは非常に重要です。公式サイトやLinkedInなどで、チームメンバーの経歴や実績を確認しましょう。過去に成功した経験を持つメンバーがいるか、仮想通貨や関連分野での専門知識があるかなどが判断材料になります。匿名のチームや、経歴が不透明な場合は警戒が必要です。

コミュニティの状況をチェック

  • プロジェクトのTelegram、Discord、X(旧Twitter)などの公式コミュニティに参加してみましょう。コミュニティが活発に情報交換されているか、運営チームが積極的にコミュニケーションを取っているか、質問に対して真摯に答えているかなどを確認します。
  • ただし、コミュニティの中には、プロジェクトを盲目的に応援したり、不都合な質問をする人を排除したりするような、いわゆる「カルト的」な雰囲気の場所もあるので注意が必要です。肯定的な意見だけでなく、疑問や批判的な意見にも耳を傾けられる健全なコミュニティであるかを見極めましょう。

怪しい話に騙されないための鉄則

TGEや新規トークン販売は、詐欺師がよく使う手口と関連が深いです。「必ず儲かる」「あなただけに特別に案内します」といった言葉には、絶対に耳を傾けてはいけません。

公式情報のみを信頼する

  • TGEやトークン販売に関する情報は、必ずプロジェクトの公式サイトや、公式のSNSアカウント(Telegram, Discord, Xなど)、そして公式発表を確認できた信頼できるメディアから得るようにしましょう。
  • 見知らぬ人からのDM(ダイレクトメッセージ)や、公式サイトそっくりの偽サイト、URLが少しだけ違う偽の公式アカウントなどから得た情報は、全て詐欺の可能性があると疑ってかかりましょう。
  • フィッシング詐欺など、仮想通貨の世界で初心者が狙われやすい詐欺の手口については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ確認してください。
    【危険】初心者が狙われる!よくある仮想通貨詐欺のパターンと見抜き方

有名人の名前や誇大広告に注意

  • プロジェクトの宣伝で、有名人(インフルエンサーや著名な経営者など)が関わっていることを過度にアピールしている場合や、「〇〇に上場決定!」「史上最高の技術!」といった誇大広告が多い場合は、警戒が必要です。インフルエンサーの中には、お金をもらって宣伝しているだけで、プロジェクトの内容を理解していない人もいます。

甘い言葉に踊らされない

  • 「今すぐ買わないと後悔する」「このチャンスを逃すな」「元本保証」「年利〇〇%確実」といった、あなたを焦らせたり、リスクがないと思わせたりするような甘い言葉で勧誘してくるものは、ほぼ10なく詐欺です。仮想通貨投資に「絶対」や「確実」はありません。リスクを説明しないプロジェクトは信用できません。

失ってもいいお金で参加することの重要性

TGE前後のイベントでトークンを獲得する機会は、大きなリターンを生む可能性がありますが、それ以上に「投資した資金がゼロになる」リスクが非常に高いです。

少額から始める

  • もし、どうしても参加してみたいプロジェクトがあるとしても、まずは失っても生活に困らない範囲の「ごく少額」から始めるべきです。
  • 特に初心者の方は、いきなり大きな金額を投じるのではなく、少額で実際に経験してみることから始めるのが賢明です。

全力投資は絶対に避ける

  • 「このプロジェクトは絶対に成功する!」と確信したとしても、一つのプロジェクトに資金を集中させる(集中投資)のは非常に危険です。
  • どんなに promising に見えるプロジェクトでも、予期せぬ問題が発生したり、市場の状況が大きく変わったりするリスクは常にあります。
  • 資金を複数のプロジェクトや異なる種類の資産(仮想通貨、株式、貯金など)に分散させる「分散投資」を心がけましょう。

TGEへの参加は、魅力的な反面、非常に高いリスクを伴います。これらの注意点を踏まえ、冷静な判断と慎重な行動を心がけることが、あなたの資産を守ることに繋がります。

Q&A よくある質問

ここでは、仮想通貨のTGEに関して、初心者の方が疑問に思いがちな点をQ&A形式でまとめました。

TGEはいつでも参加できるの?

いいえ、TGEはいつでも行われているイベントではありません。

  • TGEは、新しい仮想通貨プロジェクトがトークンを初めて発行する、特定のタイミングで行われます。
  • プロジェクトによってTGEの実施時期は異なりますし、そもそもTGEという言葉を使わずにトークン発行を行うプロジェクトもあります。
  • もし特定のプロジェクトのTGEに関心がある場合は、そのプロジェクトの公式サイトや公式コミュニティで、TGEの具体的な日程や、一般向けのトークン販売やエアドロップに関する情報が発表されるのを待つ必要があります。

TGEで買ったトークンはすぐ売れる?

必ずしもすぐに売れるとは限りません。ロックアップ期間に注意が必要です。

  • TGE前後の販売イベント(プレセールやパブリックセールなど)で取得したトークンには、ロックアップという期間が設定されていることが非常に多いです。
  • ロックアップ期間中は、取得したトークンが凍結され、指定された期間が経過するか、または定められたスケジュールに従って段階的にロックが解除されるまで、自由に売却したり、他のウォレットに送金したりすることができません。
  • これは、トークンが市場に一度に大量に放出されて価格が暴落するのを防ぐ目的や、プロジェクトへの長期的な参加を促す目的で行われます。
  • トークン販売に参加する際は、ロックアップの条件(いつから、どれくらいの量が、いつまで売却制限されるか)を必ず事前に確認してください。ロックアップ中に価格が大きく下落しても、何もできないリスクがあります。

TGEの情報はどこで手に入る?

TGEや新しい仮想通貨プロジェクトに関する情報は、様々な場所で得られますが、情報の信頼性を自分で見極めることが非常に重要です。

信頼できる情報源

  • プロジェクトの公式サイト、公式SNS(X, Telegram, Discordなど): 最も正確で一次の情報源です。ただし、SNSには偽アカウントもあるので、公式サイトからリンクされている公式アカウントをフォローしましょう。
  • 大手仮想通貨取引所の「ローンチパッド」関連ページ: Binance Launchpad, Bybit Launchpadなど、多くの取引所が新規プロジェクトの支援プラットフォームを持っています。これらのページで紹介されているプロジェクトは、ある程度の審査を受けているため、比較的信頼性は高いと考えられます(ただし、投資判断は自己責任で)。
  • 仮想通貨ニュースメディア: 信頼できる主要な仮想通貨ニュースサイトやブログで、新しいプロジェクトやTGEに関する情報が報じられることがあります。複数の情報源をチェックしましょう。
  • 分析サイトやAggregatorサイト: CoinMarketCapやCoinGeckoなどのサイトで、新規上場(New Listings)や進行中のセール(Upcoming ICO/IEO/IDOなど)の情報がまとめられていることがあります。ただし、全ての情報が正しいとは限らないので、必ずリンク先の公式情報も確認が必要です。

注意が必要な情報源

  • SNSの個人アカウントからのDMや勧誘: 見知らぬ人からのメッセージには、詐欺目的のものが非常に多いです。
  • 公式サイトそっくりの偽サイト: URLをよく確認しましょう。
  • 「絶対儲かる」「無料で高額トークン」といった誇大な広告や勧誘: 甘い言葉には裏があります。

新しい情報に触れる際は、それが公式の情報源から発信されているか、複数の場所で確認できるか、そしてあまりに都合の良い話ではないか、といった点を常に意識するようにしてください。

まとめ

今回は、仮想通貨の世界で使われる「TGE(Token Generation Event)」について、その意味や、ICO、IEO、IDOといった他の新規発行手法との違い、そしてTGEに関連するイベントへの参加メリット・デメリット、注意点を解説しました。

  • TGEは「トークン生成イベント」の略称で、新しい仮想通貨がブロックチェーン上で初めて正式に発行される技術的なイベントです。
  • ICO、IEO、IDOは、TGEを経て生成されたトークンを、プロジェクト自身、取引所、DEXなどを介して販売し、資金調達を行う「手法」や「イベント」です。これらの販売イベントを行う前提として、TGEが完了している必要があります。
  • TGE前後のトークン販売やエアドロップに参加することで、早期にトークンを比較的安価に入手できるチャンスがありますが、それは同時にプロジェクト失敗、詐欺、価格暴落、ロックアップといった非常に高いリスクを伴います。
  • TGEに関連するイベントに関わる際は、プロジェクトのホワイトペーパーやチームをしっかりチェックし、公式情報のみを信頼し、「絶対儲かる」といった甘い言葉には騙されないことが非常に重要です。
  • そして何よりも、失っても生活に影響のない「余裕資金」のごく一部で行うという、自己責任の意識が不可欠です。

仮想通貨の新規プロジェクトは魅力的ですが、玉石混交の世界です。TGEという言葉に出会ったら、「新しいトークンが生まれる瞬間なんだな、そしてその前後で販売や配布があるかもしれないけど、リスクがめちゃくちゃ高いから慎重に調べないと!」と考えて、冷静に対応することが大切です。

もし、仮想通貨投資全体のリスクについて、もっと詳しく知りたいと感じたら、こちらの記事も確認してみてください。

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