レバレッジって何?ハイリスク?初心者は手を出さない方がいい理由

レバレッジって何?ハイリスク?初心者は手を出さない方がいい理由

仮想通貨の取引について調べていると、「レバレッジ」という言葉をよく目にしませんか?「なんだかすごそうだけど、よく分からない…」「少ないお金で大きく儲けられるってホント?」「でも、なんか危なそうなイメージも…」

そんな疑問や不安を感じている方も多いのではないでしょうか。特に、これから仮想通貨を始めようと思っている初心者の方や、難しい話が苦手な方にとっては、「レバレッジ」という言葉自体が、なんだか近寄りがたい壁のように感じられるかもしれません。

この記事では、そんな仮想通貨の「レバレッジ取引」について、仕組みやメリット・デメリット、そして「なぜ初心者は安易に手を出すべきではないのか」という理由を、専門用語をかみ砕きながら、とことん分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、レバレッジ取引がどのようなものか、そしてあなたが今それに手を出すべきかどうか、冷静に判断できるようになるはずです。

目次

そもそも「レバレッジ」ってどういう意味?

まずは、「レバレッジ」という言葉そのものの意味から理解していきましょう。この言葉の意味を知るだけでも、仮想通貨取引におけるレバレッジのイメージが掴みやすくなります。

「てこの原理」で小さな力で大きなものを動かすイメージ

「レバレッジ(Leverage)」とは、もともと「てこ(Lever)」の作用、つまり「てこの原理」を意味する言葉です。

小さな力で、支点と力点、作用点の関係を利用して、自分だけの力では動かせないような大きな石などを動かすことができますよね。あのイメージです。

金融の世界、特に投資や取引における「レバレッジ」も、この「てこの原理」と同じような考え方に基づいています。つまり、「少ない自己資金(小さな力)を使って、それよりもはるかに大きな金額(大きなもの)を動かす(取引する)」ことを指します。

仮想通貨取引におけるレバレッジとは?

では、具体的に仮想通貨取引における「レバレッジ」とはどういうことでしょうか?

これは、「取引所に一定のお金(証拠金)を預けることで、その証拠金の数倍(レバレッジ倍率)の金額の仮想通貨取引ができる仕組み」のことです。

例えば、あなたが10万円の自己資金(証拠金)を持っているとします。通常(レバレッジをかけない「現物取引」)であれば、10万円分の仮想通貨しか買えません。

しかし、ここで「レバレッジ10倍」を利用すると、10万円 × 10倍 = 100万円分の仮想通貨取引が可能になります。これが、レバレッジの基本的な仕組みです。

「少ない元手で大きな取引ができるなんて、すごい!」と感じるかもしれませんが、ここには大きなメリットと、それ以上に注意すべき大きなリスクが潜んでいます。それを理解するために、もう少し詳しく仕組みを見ていきましょう。

レバレッジ取引の仕組みをもう少し詳しく見てみよう

「証拠金の数倍の取引ができる」と言われても、まだピンとこないかもしれませんね。ここでは、レバレッジ取引がどのように成り立っているのか、もう少し具体的な仕組みと、関連する重要なキーワードについて解説します。

必要なのは「証拠金」(しょうこきん)

レバレッジ取引を行うためには、まず取引所に「証拠金(しょうこきん)」と呼ばれる担保金を預け入れる必要があります。これは、もし取引で損失が出た場合に備えるためのお金です。

  • 役割: レバレッジ取引を行うための担保となる資金。
  • 金額: 取引したい金額やレバレッジ倍率によって、必要な証拠金の額(必要証拠金)が決まります。例えば、100万円分の取引をレバレッジ10倍で行う場合、最低でも10万円の証拠金が必要です(計算式: 取引金額 ÷ レバレッジ倍率 = 必要証拠金)。
  • 維持率: 預けている証拠金の総額が、現在保有しているポジション(取引している状態)に対して、どのくらいの割合を維持できているかを示す「証拠金維持率」という指標が非常に重要になります。この維持率が一定の水準を下回ると、後述する「ロスカット」が執行される可能性があります。

この証拠金があるからこそ、取引所はユーザーが自己資金以上の取引を行うことを許可できるのです。

利益も損失も「レバレッジ倍率」分だけ大きくなる

ここがレバレッジ取引の最大の特徴であり、魅力であり、そして最大の危険性でもあります。

レバレッジをかけると、少ない資金で大きな金額の取引ができるため、利益が出た場合の金額も、レバレッジ倍率に応じて大きくなります

例:10万円の証拠金でビットコインが1%上昇した場合

  • 現物取引(レバレッジなし):
    • 10万円分のビットコインを購入 → 1%上昇で価値は10万1千円に
    • 利益:1,000円
  • レバレッジ10倍:
    • 10万円の証拠金で100万円分のビットコインを購入 → 1%上昇で価値は101万円に
    • 利益:1万円

このように、同じ資金、同じ相場の動きでも、レバレッジ10倍なら利益は10倍になります。「すごい!」と思いますよね。

しかし、損失が出た場合も全く同じです。損失額もレバレッジ倍率に応じて大きくなるのです。

例:10万円の証拠金でビットコインが1%下落した場合

  • 現物取引(レバレッジなし):
    • 10万円分のビットコインを購入 → 1%下落で価値は9万9千円に
    • 損失:1,000円
  • レバレッジ10倍:
    • 10万円の証拠金で100万円分のビットコインを購入 → 1%下落で価値は99万円に
    • 損失:1万円

わずか1%の値動きでも、レバレッジ10倍なら証拠金10万円に対して1万円(=証拠金の10%)もの損失が発生します。もし10%価格が下落したら、レバレッジ10倍では10万円の損失となり、預けた証拠金が全てなくなってしまう計算になります(実際にはその前にロスカットが執行されます)。

この「利益も損失もレバレッジ倍率分だけ増幅される」という点を、絶対に忘れてはいけません。

知っておきたいリスク管理の仕組み:「ロスカット」と「追証」

レバレッジ取引には、投資家(ユーザー)の損失が証拠金を上回ってマイナスにならないように、そして取引所の損失を防ぐための仕組みが備わっています。それが「ロスカット」と「追証(おいしょう)」です。

ロスカット (Loss Cut)

  • 仕組み: 保有しているポジションの含み損(まだ確定していない損失)が拡大し、証拠金維持率が取引所が定めた一定の水準(ロスカットライン)を下回った場合に、強制的にそのポジションを決済(損切り)する仕組みです。
  • 目的: ユーザーの損失が、預け入れた証拠金の額を大幅に超えることを防ぐためのセーフティネットのようなものです。
  • 注意点: ロスカットは損失の拡大を防ぐためのものですが、執行されるということは、その時点で損失が確定することを意味します。「もう少し待てば価格が戻るかも…」という希望は断ち切られ、強制的に損切りされます。また、相場の急激な変動時には、ロスカットが間に合わず、預けた証拠金以上の損失が発生する(追証が発生する)可能性もゼロではありません。

追証 (おいしょう / 追加証拠金)

  • 仕組み: 相場の急変動などによりロスカットが間に合わず、損失額が預け入れた証拠金の額を上回ってしまった場合(つまり、口座残高がマイナスになった場合)に、その不足分を追加で入金しなければならない制度です。
  • 国内取引所 vs 海外取引所:
    • 国内取引所: 日本の金融商品取引法に基づき、多くの国内取引所では追証制度があります。つまり、証拠金以上の損失が発生した場合、借金を負ってしまうリスクがあります。
    • 海外取引所: 一部の海外取引所では、「ゼロカットシステム」を採用しているところがあります。これは、万が一ロスカットが間に合わず口座残高がマイナスになっても、そのマイナス分を取引所が負担してくれる(つまり追証が発生しない)仕組みです。ただし、海外取引所の利用には、日本の法律で保護されない、日本語サポートがない場合がある、などの別のリスクも存在します。

これらの仕組みを理解しておくことは、レバレッジ取引のリスクを把握する上で非常に重要です。

なぜ魅力的?レバレッジ取引のメリットとは

リスクが高いことは分かってきたけれど、それでも多くの人がレバレッジ取引に惹かれるのはなぜでしょうか? レバレッジ取引ならではのメリットも見ていきましょう。

少額資金で大きな利益を狙える可能性

これがレバレッジ取引の最大の魅力と言えるでしょう。先ほどの例のように、自己資金が少なくても、レバレッジを効かせることで大きな金額の取引が可能になり、相場が予想通りに動けば、短期間で大きなリターンを得られる可能性があります。

例えば、1万円しかなくても、レバレッジ10倍なら10万円分の取引ができます。もしその仮想通貨が10%値上がりすれば、1万円の利益となり、元手が2倍になる計算です(手数料等は考慮せず)。現物取引では到底不可能なリターンを、理論上は狙えるのです。

資金効率が良い

少ない証拠金で大きな取引ができるということは、「資金効率が良い」とも言えます。

例えば、100万円分の取引をしたい場合、現物取引なら100万円の資金が必要ですが、レバレッジ10倍なら10万円の証拠金で足ります。残りの90万円は別の投資に回したり、あるいはそもそも10万円しか用意できない場合でも、100万円分の取引チャンスを得られたりするわけです。

ただし、これはあくまで「効率よく大きなリスクを取れる」という意味合いでもあるため、メリットとリスクは表裏一体です。

下落相場でも利益を狙える(空売り)

現物取引では、基本的に価格が上がることを期待して「安く買って高く売る」ことでしか利益を出せません。価格が下がり続けている相場(下落トレンド)では、買いポジションを持っていると損失が膨らむばかりです。

しかし、レバレッジ取引(多くの場合はCFD取引や先物取引)では、「売りから入る(空売り / ショート)」ことが可能です。

これは、「先に(持っていない)仮想通貨を高い価格で売り、価格が下がったところで買い戻す」ことで、その差額を利益とする取引方法です。つまり、価格が下落すると予想される局面でも、利益を狙うことができるのです。これは現物取引にはない大きなメリットです。

ここが怖い!初心者が特に注意すべきレバレッジ取引のデメリット(リスク)

さて、メリットを見ると魅力的に感じられるレバレッジ取引ですが、その裏側には、特に初心者にとって致命傷となりかねない大きなデメリット(リスク)が存在します。ここをしっかりと理解することが、何よりも重要です。

損失もレバレッジ倍率分だけ大きくなる(ハイリスクたる所以)

繰り返しになりますが、これが最大かつ最も恐ろしいデメリットです。利益が倍増する可能性があるということは、損失も同じ倍率で増幅されるということです。

例:10万円の証拠金、レバレッジ10倍で100万円分の取引

  • 1%価格が上昇1万円の利益 (証拠金の+10%)
  • 1%価格が下落1万円の損失 (証拠金の-10%)
  • 5%価格が下落5万円の損失 (証拠金の-50%)
  • 10%価格が下落10万円の損失 (証拠金の-100%) → 証拠金がゼロに(実際にはロスカット)

現物取引であれば、たとえ価格が50%下落しても、資産価値は半分になるだけで、保有し続けていれば価格が戻る可能性もあります。しかし、レバレッジ取引では、わずかな値動きで証拠金の大部分、あるいは全てを失う可能性があるのです。特に仮想通貨は価格変動(ボラティリティ)が激しいため、このリスクは他の金融商品以上に高くなります。

ロスカットによる強制的な損失確定のリスク

「ロスカットがあるから安心」と思うかもしれませんが、これはあくまで「借金を負うリスクを低減する」ための仕組みであり、損失そのものをなくすものではありません

ロスカットが執行されるということは、自分の意図しないタイミングで、強制的に損失が確定させられるということです。「損切りはしたくない、もう少し様子を見たい」と思っていても、証拠金維持率が基準を下回れば、容赦なくポジションは決済されます。

相場が一時的に急落し、ロスカットされた直後に価格が急反発する…なんてことも十分にあり得ます。そうなると、「ロスカットさえなければ利益になっていたのに…」という悔しい思いをすることになりかねません。

追証(追加証拠金)が発生するリスク(国内取引所の場合)

先述の通り、日本の国内取引所の多くでは追証制度があります。相場が極端に急変動した場合など、ロスカットが間に合わずに証拠金を上回る損失が発生すると、不足分を追加で入金する義務が生じます。

これは、当初預けた資金以上の損失を被り、借金を背負ってしまうリスクがあることを意味します。「投資は自己責任で、最悪でも元手がゼロになるだけ」と考えていると、痛い目を見ることになりかねません。レバレッジ取引、特に追証のある国内取引所での取引は、元手以上の損失リスクと隣り合わせなのです。

手数料(レバレッジ手数料・スワップポイント)がかかる

レバレッジ取引では、通常の取引手数料(売買手数料)とは別に、特有の手数料がかかる場合があります。

  • レバレッジ手数料 / ポジション管理料: ポジションを保有していること自体にかかる手数料です。取引所によって名称や計算方法は異なりますが、毎日(あるいは一定時間ごと)に発生することが多いです。
  • スワップポイント: ポジションを翌日に持ち越した場合(日をまたいで保有した場合)に発生する、金利差調整額のようなものです。通貨ペアや売り買いのポジションによって、受け取れる場合(プラススワップ)と支払う場合(マイナススワップ)があります。仮想通貨のレバレッジ取引では、多くの場合、支払い(マイナススワップ)になる傾向があります。

これらの手数料は、ポジションを長く保有すればするほど積み重なっていき、利益を圧迫したり、損失を拡大させたりする要因になります。特に長期でポジションを持つスタイルの場合、無視できないコストとなります。

精神的な負担が大きい

レバレッジ取引は、短時間で大きな利益を得られる可能性がある一方、常に大きな損失リスクと隣り合わせです。

  • 少し価格が動いただけでも、損益が大きく変動するため、常にチャートや価格が気になってしまう。
  • ロスカットや追証の恐怖に怯え、冷静な判断ができなくなる。
  • 大きな損失を出してしまい、日常生活に支障をきたしたり、精神的に追い詰められたりする。

このような精神的な負担は、現物取引の比ではありません。冷静な判断力やリスク管理能力、そして精神的なタフさが求められます。

それでもやりたい?レバレッジ取引を始める前に考えるべきこと

ここまでレバレッジ取引の仕組みとメリット、そして特にデメリット(リスク)について詳しく解説してきました。これらを踏まえた上で、「それでもレバレッジ取引をやってみたい」と考える方もいるかもしれません。

もし、あなたがレバレッジ取引に挑戦しようと思うなら、始める前に以下の点を自問自答し、全てに自信を持って「はい」と答えられるか、真剣に考えてみてください。

十分な知識と経験があるか?

  • 仮想通貨市場の基本的な知識(価格変動要因、主要通貨の特徴など)はありますか?
  • レバレッジ取引の仕組み(証拠金、ロスカット、追証、手数料など)を完全に理解していますか?
  • テクニカル分析やファンダメンタルズ分析など、相場を分析するための基本的な知識やスキルはありますか?
  • まずは現物取引で、実際の値動きや取引の感覚を十分に経験しましたか?

知識や経験が不十分なままレバレッジ取引に手を出すのは、目隠しをして高速道路を運転するようなものです。

リスクを完全に理解し、許容できるか?

  • レバレッジ取引に伴う損失リスク(元本割れ、追証による借金リスクなど)を、感情的にならずに受け入れられますか?
  • 最悪の場合、預けた証拠金の全て、あるいはそれ以上を失う可能性があることを本当に理解し、覚悟できていますか?
  • もし大きな損失を出してしまっても、冷静さを保ち、次の行動を考えられますか?

リスクを過小評価したり、「自分だけは大丈夫」と思い込んだりするのは非常に危険です。

余裕資金(失っても生活に困らないお金)で行えるか?

  • レバレッジ取引に使う資金は、あなたの生活費や将来のための貯蓄とは完全に切り離された、「最悪なくなっても生活に困らないお金」ですか?
  • 借金をしてまでレバレッジ取引をしようとしていませんか?(絶対にやめましょう)
  • 失うことへの恐怖から、冷静な判断ができなくなるような金額ではありませんか?

生活資金や必要資金をつぎ込むのは、絶対に避けるべきです。

損切りルールを徹底できるか?

  • 「ここまで価格が下がったら(あるいは損失がここまで膨らんだら)、必ず損切り(決済)する」という明確なルールを、事前に決めていますか?
  • そのルールを、感情に流されずに(「もう少し待てば戻るかも…」などと思わずに)、機械的に実行できますか?
  • 損切りは、損失を最小限に抑え、次のチャンスに備えるための重要な戦略です。これができない人は、レバレッジ取引で大きな損失を被る可能性が非常に高いです。

これらの問いに一つでも「いいえ」や「分からない」があるうちは、まだレバレッジ取引を始めるべきではありません。

【結論】なぜ初心者はレバレッジ取引に手を出すべきではないのか

ここまで解説してきた内容を踏まえ、この記事の結論として、「なぜ仮想通貨初心者はレバレッジ取引に安易に手を出すべきではないのか」を改めて強調したいと思います。

仮想通貨の価格変動(ボラティリティ)自体が大きい

まず大前提として、仮想通貨は株や為替(FX)といった他の金融商品と比較しても、価格変動(ボラティリティ)が非常に激しいという特徴があります。1日で10%、20%といった価格変動が起こることも珍しくありません。

このような激しい値動きのある市場で、さらにレバレッジをかけるということは、リスクを二重に増幅させる行為に他なりません。現物取引でさえ、そのボラティリティに対応するのは簡単ではないのに、レバレッジでその変動幅が数倍になることを想像してみてください。ほんのわずかな読み違いやタイミングのずれが、致命的な損失に繋がる可能性が高いのです。

知識不足・経験不足が大きな損失に直結しやすい

レバレッジ取引で安定的に利益を上げるためには、相場分析のスキル、リスク管理能力、そして冷静な精神状態が不可欠です。これらは、一朝一夕に身につくものではなく、相応の知識学習と、実際の取引経験(成功体験だけでなく、失敗体験も含めて)を通して培われていくものです。

知識や経験が不足している初心者が、いきなりレバレッジ取引のようなハイリスクな世界に飛び込むのは、あまりにも無謀です。ビギナーズラックで一時的に勝てたとしても、長期的に見れば、市場のプロや熟練トレーダーたちの「カモ」になってしまう可能性が高いと言わざるを得ません。

まずは現物取引で経験を積むことが重要

仮想通貨投資を始めたいのであれば、まずはレバレッジをかけない「現物取引」から始めることを強く推奨します。

現物取引であれば、

  • 損失は、最大でも投資した元本の範囲内に限定される(追証のリスクがない)。
  • 価格が下がっても、売却せずに保有し続ければ(塩漬け)、将来的に価格が回復する可能性もある。
  • レバレッジ取引ほど複雑な仕組みや手数料を気にする必要がない。
  • 比較的落ち着いた精神状態で、仮想通貨の値動きや取引の基本を学ぶことができる。

現物取引で経験を積み、仮想通貨市場の特性を肌で感じ、自分なりの投資スタイルやリスク管理方法を確立してから、それでもなおレバレッジ取引に挑戦したいと感じるのであれば、その時に改めて検討しても遅くはありません。焦りは禁物です。

Q&A よくある質問

最後に、レバレッジ取引に関するよくある質問とその回答をまとめました。

レバレッジ取引と現物取引の違いは?

主な違いは以下の表の通りです。

項目レバレッジ取引現物取引
自己資金証拠金として預け、その数倍の取引が可能投資した金額分の仮想通貨を購入・保有
最大損失証拠金以上になる可能性あり(追証)投資した元本の範囲内
利益機会上昇・下落の両局面(空売り可能)主に上昇局面
主なリスク価格変動リスク(増幅)、ロスカット、追証リスク価格変動リスク(元本割れ)
手数料取引手数料、レバレッジ手数料、スワップポイント等取引手数料、送金手数料等
保有ポジションを保有(仮想通貨自体は保有しない場合も)仮想通貨そのものを保有
初心者向け度低い(非推奨)比較的高い(まずはこちらから)

簡単に言えば、現物取引は「仮想通貨そのものを買う」レバレッジ取引は「証拠金を担保に、将来の価格変動を予想して売買する権利(ポジション)を持つ」というイメージです。レバレッジ取引は、より投機的な側面が強いと言えます。

レバレッジの倍率はどのくらいがいいの?

まず大前提として、初心者はレバレッジ取引自体を避けるべきですが、もし経験を積んだ上で挑戦する場合でも、レバレッジ倍率は低ければ低いほどリスクを抑えられます

  • 国内取引所: 日本の金融庁の規制により、個人向けの仮想通貨レバレッジ取引の最大倍率は2倍に制限されています。これは、投資家保護の観点からリスクを抑えるための措置です。
  • 海外取引所: 海外の取引所では、規制が異なるため、10倍、20倍、中には100倍を超えるような非常に高いレバレッジを提供しているところもあります(ハイレバレッジ、通称「ハイレバ」)。

「倍率が高いほど儲かるのでは?」と思うかもしれませんが、それは同時に「倍率が高いほど、わずかな値動きでロスカットされ、資金を失うリスクが高まる」ことを意味します。

もしレバレッジ取引を行うとしても、最初は2倍(国内取引所の最大倍率)から、あるいはそれ以下で試すのが賢明です。いきなり高いレバレッジに手を出すのは、非常に危険な行為です。自分のリスク許容度を慎重に見極め、無理のない範囲で設定することが鉄則です。

レバレッジ取引ができる国内取引所は?

2025年現在、日本国内で金融庁に登録され、個人向けの仮想通貨レバレッジ取引(証拠金取引)を提供している主な取引所には、以下のようなものがあります。(サービス内容や取扱銘柄は変更される可能性があるため、最新情報は各取引所の公式サイトでご確認ください。)

主な国内取引所(レバレッジ取引提供例)

  • DMM Bitcoin: アルトコインのレバレッジ取引種類が豊富。
  • GMOコイン: 取引ツールが充実。幅広い銘柄に対応。
  • bitFlyer: ビットコイン取引量が国内トップクラス。
  • SBI VCトレード: SBIグループの安心感。

これらの取引所では、いずれも最大レバレッジは2倍に設定されています。口座開設には審査があり、レバレッジ取引に関する知識や経験、資産状況などが問われる場合があります。

まとめ

今回は、仮想通貨の「レバレッジ取引」について、その仕組みからメリット、そして特に初心者が注意すべきデメリット(リスク)までを詳しく解説しました。

  • レバレッジは「てこの原理」のように、少ない資金(証拠金)で大きな金額の取引を可能にする仕組み。
  • メリットは、少額で大きな利益を狙える可能性、資金効率の良さ、下落相場でも利益を狙える(空売り)点。
  • 最大のデメリット(リスク)は、損失もレバレッジ倍率分だけ増幅されること。
  • ロスカット(強制決済)や、国内取引所では追証(借金リスク)の可能性がある。
  • 手数料がかさむことや、精神的な負担が大きいこともデメリット。
  • 仮想通貨は元々ボラティリティが高いため、レバレッジをかけるとリスクが極めて高くなる。

結論として、仮想通貨初心者は、レバレッジ取引に安易に手を出すべきではありません。まずはレバレッジをかけない「現物取引」で経験を積み、市場に慣れ、リスク管理を学んでから、それでも必要性を感じる場合に、細心の注意を払って検討するようにしましょう。

仮想通貨投資は、魅力的な側面もありますが、リスクも伴います。特にレバレッジ取引は、そのリスクを飛躍的に高める可能性があることを、決して忘れないでください。

さて、レバレッジ取引のリスクも怖いですが、仮想通貨投資においてもう一つ、絶対に無視できないのが「税金」の問題です。利益が出た場合にどうなるのか、知っておかないと後で大変なことになるかもしれません。次の記事では、そんな仮想通貨の税金について、初心者にも分かりやすく解説しています。ぜひ、こちらもチェックしてみてください。

次の記事を読む: 【要注意】仮想通貨の税金、ぶっちゃけどうなの?面倒だけど無視できない話

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