国内仮想通貨取引所では、取引所・販売所・仮想通貨FXの3種類の取引形態があります!
取引所と販売所は、購入方法が違うだけでどちらも現物取引です。一方、仮想通貨FXは現物をやりとりしないデリバティブ取引です。
仮想通貨(暗号資産)が初めての場合、この3種類の違いがわからなくてとまどうことが多いようです。今回はこの違いについてわかりやすく説明します。
販売所 | 仮想通貨取引所を相手とした取引(相対取引) |
取引所 | 利用者同士の取引(取引所取引) |
仮想通貨FX | 現物を保有せず、売りと買いの差額だけを受け取る証拠金取引 |
また、以前bitFlyerなどて提供されていた先物取引と仮想通貨FXの違いについての解説します!
違いを知らない人はここで勉強するっコ!
仮想通貨の販売所と取引所の違い
まずは、同じ現物取引である販売所と取引所の違いを説明します。
- 取引の相手方が違う
- 販売所はコストが割高
- 販売所は簡単
取引の相手方が違う
販売所と取引所の大きな違いは、取引の相手方です。販売所でビットコインを購入する場合、利用している仮想通貨取引所(コインチェックやDMMビットコインなど)から購入することになります。取引所があらかじめ保有している仮想通貨の在庫から購入することになりますので、スムーズな購入が可能です。
一方、取引所ではユーザー同士の取引になります。
取引所でビットコインを購入する場合、ビットコインの売却を希望するユーザーとマッチングされます。購入価格の希望を出さない注文(成行注文)であれば、ユーザーが売却希望を出している中で最も安い値段で購入されますので、通常は即時購入されます。しかし、購入価格の希望を出す場合は(指値注文)、希望価格で売ってくれるユーザーが現れるまで注文が保留されます。
販売所はコストが割高
取引形式が違うことで、取引のためのコストが変わってきます。基本的に販売所の方が割高に設定されています。
販売所は、買う場合の値段と売る場合の値段が提示されるシンプルな形式です。この買値と売値の差がスプレッドと呼ばれ、仮想通貨取引所が利益として受け取る取引コストになります。
一方取引所ではユーザーが提示した価格での売買が行われるので、スプレッドはありません。その代わり、「売買金額の〇%」という形で手数料を支払う必要があります。
販売所のような意味でのスプレッドはありませんが、ユーザーが提示している最も安い売値と最も高い買値の差がスプレッドと呼ばれることもあります。
手数料を考慮しても販売所より取引所の方がコストが安いです。
「販売所」という名称ではありませんが、Bybitのような海外仮想通貨取引所にも、取引所を相手とする取引形態は存在します。販売所と同様にユーザー同士の取引所よりコストは高めに設定してあります。
「取引所との売買は高い」と覚えるっコ!
販売所は簡単
コスト高なのになぜ販売所が存在するかと言うと、簡単だからです。それ以外のメリットはほぼありません。
「即時購入・売却できる」ことがメリットと考えられることもありますが、取引所でも成行注文を使えば即時取引できます。
ただし、購入・売却を希望するユーザーが極端に少なく、成行注文を出してしまうと市場レートから大幅に離れた価格で取引されてしまうような場合には販売所を利用した方がいいこともあります。
取引所は「板取引」という注文方法を取っていて、ユーザーが「この価格なら売る」「この価格なら買う」と設定してあるレート(指値注文)を確認できます。取引所で成行注文を出す際には、買いの場合は一番安い指値注文、売りの場合は一番高い指値注文が市場レートから大幅に離れていないかどうかを事前に確認してください。
取引所形式もそれほど難しくはありませんので、初心者の方でも取引所にチャレンジしてみることをおすすめします。
仮想通貨FX(暗号資産FX)はレバレッジ取引
販売所と取引所は購入形式が違うだけで同じ現物取引でしたが、仮想通貨FX(暗号資産FX)は、「現物を取引しない」「レバレッジ取引」という特徴があります。
それぞれの特徴を紹介します!
- 売買差益のみを受け取るデリバティブ取引
- レバレッジがかけられる
売買差益のみを受け取るデリバティブ取引
仮想通貨FX(暗号資産FX)は、買ったときの価格と売ったときの価格の差益のみを受け取る取引です。
現物を保有するわけではないため、買い取引をしたら将来必ず売り取引をする必要があります。
仮想通貨FXは売り取引から始めることも可能です。売ったときのレートより下がったレートで決済(つまり買い取引)をすると、利益が得られます。
国内取引所では「仮想通貨FX(暗号資産FX)」という名称で呼ばれていますが、同じように差益を得ることを目的とした取引は、海外取引所では「無期限契約取引」、海外FX業者では「仮想通貨CFD」と呼ばれています。
それぞれ微妙に仕組みが違うっコ
レバレッジがかけられる
仮想通貨FX(暗号資産FX)の特徴は、レバレッジがかけられることです。
現物取引であれば、資金が10万円なら10万円分の仮想通貨しか取引できません。しかし、レバレッジ2倍だと最大で約20万円の取引ができます。
取引量が2倍になると損益も2倍になるため、効率よく利益を得ることができます。
約20万円というのはあくまで理論上の話で、実際には強制ロスカットを避けるためにもっと少ない取引量に抑える必要があります。
ちなみに、規制で決まっているため国内取引所のレバレッジはどの取引所も2倍です。数十倍~数百倍のレバレッジを利用したい場合は、Bybitなどの海外仮想通貨取引所や海外FX業者の仮想通貨CFDがおすすめです。
仮想通貨の先物取引と暗号資産FXの違いは?
現在は取り扱いのある国内取引所はありませんが、以前はbitFlyerが仮想通貨の「先物取引」を提供していました。現在は海外仮想通貨取引所でしか取り扱いがありませんが、先物取引についても気になる方は以下の点をチェックしてください!
- 売買差益を目的とする取引
- 現物とは値動きが異なる
売買差益を目的とする取引
先物取引とは、もともとは「将来のある期日にある価格で購入(売却)することを約束する取引」です。
石油などの商品では、需要の多そうな時期を予測してその時期に受け取れるようにするために先物取引が使われています。この場合は、現物のやり取りがあります。
しかし、仮想通貨の先物取引は現物のやり取りを伴わないのが一般的で、仮想通貨FX(暗号資産FX)と同様に買ったときと売ったときの差益を受け取る仕組みです。
現物を受け取れる仕組みのない先物取引では、購入・売却の期日までにポジションを決済しない場合は強制的に決済されます。
現物とは値動きが異なる
仕組みは仮想通貨FX(暗号資産FX)と同じですが、先物取引の特徴は、「現物取引のレートとは異なる値動きをする」ことです。
その理由は、先物取引が「将来のある期日にある価格で購入(売却)することを約束する取引」だからです。
ビットコインの価格が将来的に下がる見通しであれば、現物取引のレートより取引のレートの方が下がる傾向があります。
一方、仮想通貨FXでは現物レートとほぼ一致したレートが使われます。
現物レートを使ったレバレッジ取引が仮想通貨FX、先物レートを使ったレバレッジ取引が先物取引と覚えるといいでしょう。
海外仮想通貨取引所の取引の種類
国内取引所は取引所・販売所・暗号資産FXの3種類ですが、海外仮想通貨取引所にはもっと多くの取引の種類があります。
たとえば、人気仮想通貨取引所のBybitでは、国内取引所の「販売所」に相当するものが「ワンクリック購入」、「取引所」に相当するものが「現物取引」、暗号資産FXに相当するものが「無期限契約取引」として提供されているほか、以下のような取引形態もあります。
- インバース型契約
- 先物契約
- オプション取引
- 現物マージン取引
インバース型契約は、テザー(USDT)などのステーブルコインではなくビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を証拠金にするレバレッジ取引です。現物マージン取引は、現物を保有する形でレバレッジ取引を行います。
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