FXGTは、「ダイナミックレバレッジ」という、保有ポジション量に応じてレバレッジが変動する制度を採用しています。(※FX銘柄はレバレッジ1,000倍で固定です。
このダイナミックレバレッジは、口座残高を基準に一括でレバレッジが制限されてしまう仕組みと比較すると、ユーザーにメリットがあるものですが、レバレッジの計算が非常にわかりにくくなるというデメリットがあります。
複雑なFXGTのレバレッジの仕組みを理解するために、下記の点について解説します。
✔ダイナミックレバレッジの計算方法
✔マイナー仮想通貨はレバレッジ制限が強い
✔銘柄ごとの保有ポジション量制限がある
FXGTのダイナミックレバレッジとは?
FXGTのダイナミックレバレッジとは、保有しているポジションの大きさによって、適用されるレバレッジが変動する制度のことです。Traders Trust(トレーダーズトラスト)など一部の海外FX業者が導入しています。
これまで海外FX業者のレバレッジ制限は、口座残高を基準にするのが一般的でしたが、そうすると念のため口座に多めに資金を入れている人までレバレッジ制限が適用されてしまうため、ユーザーにとってはデメリットとなります。
そのため、FXGTのようなダイナミックレバレッジの仕組みを一部の海外FX業者が採用し始めました。
ダイナミックレバレッジの計算方法
ダイナミックレバレッジでは、下記の表のとおり、保有ポジション量に応じてレバレッジが引き下げられます。ティア1~6の6段階に分かれています。
ティア | レバレッジ | 取引量 |
1 | 1000倍 | ~$3,000 |
2 | 500倍 | $3,000~10,000 |
3 | 200倍 | $10,000~50,000 |
4 | 100倍 | $50,000~100,000 |
5 | 50倍 | $100,000~200,000 |
6 | 20倍 | $200,000以上 |
計算方法の基本は、「各ティアの上限金額までそのティアのレバレッジが適用される」というルールです。
つまり、1BTC=55,000ドルのときに1BTC買った場合、ティア1~4が段階的にすべて適用されます。ティア1の3,000ドル分にレバレッジ1000倍、ティア2の7,000ドル分にレバレッジ500倍、ティア3の40,000ドル分にレバレッジ200倍、ティア4の5,000ドル分にレバレッジ100倍が適用されます。
このように計算するので、1BTCの必要証拠金は、それぞれのティア分の必要証拠金を合算した金額になります。
ティア | レバレッジ | 取引量 | 必要証拠金 |
1 | 1000倍 | $3,000分 | $3 |
2 | 500倍 | $7,000分(累計$10,000) | $14 |
3 | 200倍 | $40,000分(累計$50,000) | $200 |
4 | 100倍 | $5,000(累計$55,000) | $50 |
合計 | – | $55,000 | $267 |
実際のリアル口座で1BTC保有した場合の履歴を掲載します。
きっちり1BTC=55,000ドルではありませんが、それに近いレートで1BTCのポジションを持った場合の必要証拠金が29,617円でした。このときドル円の為替レートは約110円だったので、ドル換算だと$267とほぼ同じ金額です。
正確に必要証拠金を把握しようとすると、かなり複雑な計算をしなければいけないことがわかりましたね。もし証拠金計算が不安な場合は、デモ口座で同量のポジションを持ってみて確認するといいでしょう。
証拠金を把握する方法としては考えられるものをまとめました。
①きっちり計算する
②計算を簡略化するために、1000倍と500倍の$10,000分を200倍とみなす
③デモ口座でポジションを持ってみて確認する
2番目の「1000倍と500倍の$10,000分を200倍とみなして計算する」というのが実際一番便利かと思います。
1BTC==55,000ドルのときに1BTC購入する場合、50,000ドル分をレバレッジ200倍でまとめて計算し、残り5,000ドル分をレバレッジ100倍で別に計算すると、250ドル+50ドル=300ドルとなり、きっちり計算した場合の267ドルとあまり差がない結果になります。
そもそもの必要証拠金の計算方法も紹介します。レバレッジは、「自分の資金量の何倍の取引ができるか」を示す数値なので、レバレッジ100倍だと、自己資金の100倍の取引が可能です。必要証拠金基準で考えた場合、取引する仮想通貨の価格の100分の1が必要証拠金となるため、1BTC=30,000ドルでレバレッジ100倍の場合、300ドルの必要証拠金があれば1BTCの取引ができることになります。ただ、1000倍ギリギリのレバレッジをかけてしまうと少しの値動きでロスカットされるため、証拠金にはある程度余裕を持たせる必要があります。
マイナー仮想通貨はレバレッジ制限が強くなる
FXGTのレバレッジの計算方法は先ほど紹介した通りですが、マイナーな仮想通貨の場合、価格変動(ボラティリティ)が激しくなる傾向があるため、ポジション量による制限が厳しくなります。
現在は、ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、リップル(XRP)の主要5銘柄と、エイダコイン(ADA)、ポルカドット(DOT) 、ステラルーメン(XLM)の3銘柄で、レバレッジが引き下げられる取引量が別に設定されています。
主要5銘柄
ティア | レバレッジ | 取引量 |
1 | 1000倍 | ~$3,000 |
2 | 500倍 | $3,000~10,000 |
3 | 200倍 | $10,000~50,000 |
4 | 100倍 | $50,000~100,000 |
5 | 50倍 | $100,000~200,000 |
6 | 20倍 | $200,000以上 |
マイナー3銘柄(ADA、DOT、XLM)
ティア | レバレッジ | 取引量 |
1 | 1000倍 | ~$3,000 |
2 | 500倍 | $3,000~10,000 |
3 | 200倍 | $10,000~20,000 |
4 | 100倍 | $20,000~60,000 |
5 | 50倍 | $60,000~80,000 |
6 | 20倍 | $80,000以上 |
銘柄ごとのレバレッジ上限がある
ここまでのダイナミックレバレッジの計算もかなり複雑でしたが、FXGTではさらに、銘柄ごとに一定のポジション量しか保有できないという制限があります。証拠金維持率全体としてはまだ余力がある場合でも、1つの銘柄ばかりでポジションを持ってしまうと、それ以上ポジションを増やせなくなるということです。
この制限も、ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、リップル(XRP)の主要5銘柄エイダコイン(ADA)、ポルカドット(DOT) 、ステラルーメン(XLM)の3銘柄で異なる上限が設定されています。
主要5銘柄 | 1,000,000ドル |
マイナー3銘柄 | 300,000ドル |
主要5銘柄に適用される上限の1,000,000ドルは、日本円で1億円を超える大きなポジション量なので、ハイレバトレードをしていても、上限に達する人はあまりいないでしょう。1BTC=55,000ドルのとき、約18.2BTCのポジションを持つと、この制限にかかります。
しかし、マイナー3銘柄の300,000ドルは、3千万円程度なので、こちらの方が制限にかかりやすいです。
ハイレバレッジの注意点
FXGTでは、1BTC取引する場合でも必要証拠金は3万円以下とかなり少額に抑えられるため、ハイレバレッジの仮想通貨FXが可能な海外FX業者です。
これはもちろんメリットではありますが、仮想通貨で極端なハイレバトレードをするのはあまりおすすめしません。短期間での急激なレート変動が起きた場合や、朝方のスプレッド拡大でロスカットしてしまうリスクが高くなります。
FX銘柄と同様、仮想通貨も朝方はスプレッドが拡大します。
FXGTは朝方のスプレッド拡大はそれほど大きくないですが、海外FX業者によっては100ドル近く広がる場合もあります。FXGTも、普段はそれほど大きくないというだけで、相場の状況によっては急拡大する可能性もありますので、証拠金維持率には余裕を持ってトレードすることをおすすめします。
他の海外FX業者にもレバレッジ制限がある
FXGTのダイナミックレバレッジは、採用する業者の比較的少ない方法です。他の海外FX業者は、口座残高基準のレバレッジを採用していることが多いです。
例えば、XMTrading(エックスエム)は、200万円以上でレバレッジが200倍、1,000万円以上で100倍に制限されます。計算方法はシンプルですが、ポジションを実際に持っていようといまいと一律でこのレバレッジが適用されるので、たくさん資金を入れて証拠金維持率を高く保ちたい人にとってはデメリットになります。
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