FXトレードの一つであるスキャルピングは、取引時間が短く、一日に何度も取引の機会があります。そのためリスク管理が重要となります。
忙しい日中でも、夕方や夜間に時間を見つけて取引を行うことができます。そして、リスク管理が適切であれば、スキャルピングを利用して為替差益を得ることが可能です。
しかしスキャルピングはすべての人に適しているわけではありません。取引時間が短く、一日に多くの取引の機会があるとはいえ、自分に合わなければ継続的な取引は難しいでしょう。
- 初心者でもわかるFXのスキャルピング
- スキャルピングのメリット・デメリット
- スキャルピングがおすすめなトレーダー
- スキャルピングの注意点
この記事では、スキャルピングが適している人について詳しく説明します。この手法が自分に合うかどうかを見極めることが重要です。
FXのスキャルピング
FXにおけるスキャルピングとは、超短期取引を意味しており、注文から数秒または数分で決済を行うトレードスタイルのことです。
スキャルピングは短期間で繰り返し取引をすることで利益を積み重ねる方法です。
利益確定の目安は1～多くても20pips程度で、個人差はあるものの1日に10から100回程のトレードを行います。スキャルピングは短期間のトレードで相場の変動に左右されにくいメリットがあります。
初心者の方はスキャルピングの手法での利益の目安として、3～10pipsを目標にしておくとよいでしょう。
FXのスキャルピングとその種類
スキャルピングは、短期間で繰り返し取引をすることで利益を積み重ねる方法です。スキャルピングの手法は多岐にわたりますが、以下のようなものがあります。
- トレンド追従型
上昇または下降トレンドが続く時に、そのトレンドの方向に取引を行う手法。 - カウンター型
一時的な価格の逆転や反発を狙って取引を行う手法。 - レンジ型
価格が一定の範囲内での動きを繰り返す時に、その上限や下限近くでの取引を狙う手法。
スキャルピングには、トレンド追従型・カウンター型・レンジ型などの手法があります。スキャルピングは他の手法と比べて繰り返し取引を行うため、必然的に経験が多くなります。場数を踏むことでスキルは上達しやすく利益が出しやすいです。
スキャルピングにおいては、時間足の変更やインジケーターの設定変更など、テクニカル分析のセオリー通りに株価が動いているパターンを見つけることが重要です。
また出来高とボラティリティの高い銘柄を選ぶこともスキャルピングのコツの一つです。
スキャルピングのメリット・デメリット
スキャルピングのメリット・デメリットは以下の3つです。
- コツを掴めば上達しやすい
- 相場の変動に左右されにくい
- リスクが少ない
- スプレッドが都度発生する
- スリッページによる損失リスクがある
- PC環境に依存する
スキャルピングは何度も取引を行うため、必然的に経験が多くなります。場数を踏むことでスキルは上達しやすく利益が出しやすいです。
また短期間のトレードで相場の変動に左右されにくいメリットがあります。初心者の方はまずスキャルピングの手法での利益の目安として、初心者の方は3～10pipsを目標にしておくとよいでしょう。
スキャルピングの最大のメリットはリスクが少なくて済むことです。ただし取引に対する損切ルールの順守、資金管理の徹底など、自分のルールを逸脱するとリスクは大きくなるため、徹底したルール順守を心がける必要があります。
スキャルピングのデメリットは、スプレッドが都度発生すること、スリッページによる損失リスクがあること、PC環境に依存することです。スキャルピングを行う際には、これらのデメリットに注意しながら取引を行うことが大切です。
スキャルピングがおすすめなトレーダー
スキャルピングがおすすめなトレーダーの特徴をご紹介します。
- 新規エントリーから決済まで待つ時間が少ない方
- 為替相場への判断が早い方
- トレードのチャンスが多い方が良いと考える方
新規エントリーから決済まで待つ時間が少ない方
スイングトレードやデイトレードでは新規エントリーから決済まで数日かかることがあります。これに対して、スキャルピングは短時間で取引が完了します。したがって
長期間のポジション保有が苦手な人にはスキャルピングが適しています。
為替相場への判断が早い方
スキャルピングでは新規エントリーから決済までの時間が短いため、為替相場への迅速な対応が求められます。
そのため為替相場の変動に素早く対応できる人にはスキャルピングがおすすめです。
トレードのチャンスが多い方が良いと考える方
スキャルピングは一度のエントリー後、しばらく放置する必要がありません。
そのためトレードのチャンスが多ければ多いほど良いと考える人にはスキャルピングが適しています。
ただしトレードのチャンスが多いということは、負ける可能性も増えますが、それは同時に勝つ可能性も増えるということです。
自分がスキャルピングに適しているか知りたい
自分がスキャルピングに適しているかどうかを見極めるためには、以下の点を考慮すると良いでしょう
- 時間の確保
スキャルピングは短期間での取引が多いため、市場を頻繁にチェックできる時間が必要です。自分がそのような時間を確保できるかどうかを考えてみてください。 - ストレス耐性
スキャルピングは高頻度の取引を伴うため、ストレスが伴うことがあります。自分がそのようなストレスに耐えられるかどうかを自己評価してみてください。 - テクニカル分析の理解
スキャルピングではテクニカル分析が重要となります。テクニカル分析の基本的な知識と理解があるかどうかを確認してみてください。 - リスク管理
どの取引手法でも同様ですが、リスク管理は非常に重要です。損切りポイントを設定し、それを守ることができるかどうかを見極めてみてください。
これらの要素を考慮し、自己評価を行うことで、自分がスキャルピングに適しているかどうかを見極めることができます。
またデモ取引を利用して、実際にスキャルピングを試してみるのも一つの方法です。これにより、自分自身の取引スタイルとスキャルピングが合致するかどうかを確認することができます。
ただし実際の取引とデモ取引では感じるストレスや感情の動きが異なることを念頭に置いておくことが重要です。実際の取引では自分の資金が動くため、感情的な判断をしてしまうことがあります。
そのためデモ取引で成功しても、実際の取引で同じ結果が得られるとは限らないことを理解しておくことが重要です。
FXのスキャルピングではテクニカル分析が必要
FXスキャルピングではテクニカル分析が必須となります。これまでに、スキャルピングのメリット・デメリット、そしてそれが適している人や適していない人について説明してきました。
しかしスキャルピングを行うためには、それに見合ったスキルが必要です。
スキャルピングは、その使用者を選ぶ手法でありスキャルピングが自分に適していると分かったとしても、具体的にどのように行うかが分からなければスキャルピングを行うことはできません。
ここからは、FXスキャルピングのテクニカル分析と時間軸について説明します。スキャルピングでは、テクニカル分析を使用しなければ、トレードが難しくなりますがこれらを理解すれば、スキャルピングで一定の利益を得ることが可能になります。
この情報を覚えておくことで、スキャルピングをより効果的に行うことができます。
テクニカル分析では2～3種類を覚える
FXスキャルピングでは、使用するテクニカル分析はまずは2～3種類を目安に使えるようにしましょう。
長期間のポジションを保有するスイングトレードでは、テクニカル分析だけでなく、ファンダメンタルズ分析も重要です。しかしスキャルピングでは取引が短時間で完了するため、ファンダメンタルズ分析はあまり参考になりません。
スキャルピングでは、テクニカル分析が多いほど、それぞれのテクニカルが干渉し合い、トレードのチャンスが減少する可能性があります。
したがってスキャルピングでは、テクニカル分析はシンプルに保つことが推奨されます。
スキャルピングでよく使用されるテクニカル分析には、ボリンジャーバンドとRSIの2種類があります。これらを理解していれば一定のトレードチャンスを確保しながら利益を得ることが可能です。
もちろん売買ポイント以外でのトレードは避け、損切りポイントでは必ず損切りを行うなど、リスク管理も重要です。これらの点を念頭に置いて、スキャルピングを行うことが重要です。
使用する時間軸は1分足または5分足が最適
スキャルピングでは、使用する時間軸は1分足または5分足が最適とされています。
長い時間軸（30分足や1時間足など）を使用すると、トレードのチャンスが減少し、トレード時間が長くなる可能性があるためです。
そのためスキャルピングでは、トレードのチャンスと時間を考慮して、より短い時間軸を使用することが推奨されます。
スキャルピングではEA(自動売買)はおすすめ
FX自動売買は、スキャルピングに向いていると言えます。
スキャルピングは短期間で繰り返し取引をすることで利益を積み重ねる方法です。
FX自動売買は、プログラムによって自動的に取引を行うため、人間の感情に左右されず、機械的に取引を行うことができます。そのためスキャルピングに向いていると言えます。
ただしFX自動売買には、プログラムの設定や運用に関する知識が必要です。また自動売買システムを使用する場合でも、リスク管理は必要になります。
自動売買システムを使用する場合は、自分が設定したルールに従って取引を行うことが大切です。
スキャルピングの注意点
スキャルピングは基本的に短時間で少ない利益を積み重ねる手法です。ここからはスキャルピングの注意点について紹介します。
1pipsを大切にする
スキャルピングでは、1pipsを軽視する者は、1pipsで損失を経験することになります。
スキャルピングでは、スプレッドの低いFX会社でトレードすることはもちろん重要ですが、それ以上に1pipsを大切にすることが必要です。
スキャルピングでは、1pipsの積み重ねにより、トレード回数を増やすことでトータルのpips獲得数を増やします。したがってスキャルピングでは1pipsが非常に重要です。
具体的には、1pipsは1万ドルのトレードで100円に相当します。スキャルピングでは、この100円を軽視すると継続的に利益を得ることが難しくなるため注意が必要です。
スキャルピングでは、一回のトレードで50pipsや100pipsの利益を得ることはほとんど不可能です。なぜならスキャルピングは短時間での取引が基本であり、為替レートが短時間に大きく動かなければ、大きな利益を得ることは難しいからです。
50pipsや100pipsの利益を目指すなら、それはもはやデイトレードの領域になります。
それはさておきスキャルピングの基本は、少ない利益を積み重ねて為替差益を稼ぐことです。そのため1pipsを軽視すると後々大きな差として現れます。
例えばスキャルピングで100回トレードした場合、利益を1pips抑えるか、または損失を1pips多く出すと、トータルで100pipsの差が生じます。これはトレード単位が1万ドルなら1万円、10万ドルなら10万円の差となります。
つまりトレード単位が大きくなれば、その差も大きくなります。そのため、スキャルピングが薄利であっても、その利益は大切に扱う必要があります。
FX会社のスプレッドを見極める
スキャルピングでは、FX会社のスプレッドが重要な要素となります。
先ほど説明したようにスキャルピングでは、1pipsを軽視する者は、1pipsで損失を経験することになります。これはFXトレード全般に言えることで、FX会社のスプレッドも必要経費となります。
例えばUSDJPYのスプレッドがA社では1pips・B社では0.3pipsだった場合、スキャルピングで取引を開始した時点で0.7pipsの差が生じます。これは1万ドルの取引を100回行った場合、7,000円の差となります（100回×70円＝7,000円）。
取引を開始しただけでこの差が生じるため、スキャルピングではFX会社のスプレッドの低さが非常に重要です。
さらにFX会社によっては新規エントリーや決済時にスリッページが発生することがあります。そのためスキャルピングでは、トレード手法だけでなく、FX会社のスプレッドやスリッページなどの取引環境も重要です。
したがって、スキャルピングを行う場合は、各取引で1pipsを大切にすることが重要です。1pipsを軽視すると、結果的に1pipsで損失を経験することになります。この点を念頭に置いて、スキャルピングを行うことが重要です。
リスク管理の徹底
スキャルピングは短期間での取引に特化したトレードスタイルであり、そのためにはリスク管理が非常に重要です。以下に、スキャルピングにおけるリスク管理の主な要点を挙げています
- ポジションサイズの管理
一般的には、アカウントの総資産に対するリスクを小さく抑えることが推奨されます。 - ストップロスとテイクプロフィットの設定
スキャルピングのリスクを最小限に抑えるためには、ストップロスとテイクプロフィットの設定は必須です。事前にこれらのポイントを設定しておくことで、損失を最小限に抑えることが可能です。 - 取引コストとスリッページ
短期間での取引が多いため、取引コストやスリッページ（約定しないリスク）も考慮に入れる必要があります。 - 感情的な判断を避ける
どの取引手法でも同様ですが、一定のルールに基づいて取引を行うことが成功のカギです。 - FX会社の選択
取引速度が速く、手数料が低いプラットフォームを選ぶことで、取引の効率が向上します。
これらの要素が揃って初めて、効率的かつ安全な取引が可能になるのです。
スキャルピングは短期間で高頻度の取引を行い、多くのトレーダーに選ばれる取引スタイルです。高い利益の可能性、マーケットの方向性に依存しない柔軟性、そして高度なテクニカル分析が生きる場として多くのトレーダーに愛用されています。
しかしそれには独自のリスクも存在します。そのためスキャルピングを行う際には、上記のリスク管理の要点をしっかりと理解し、それに基づいて行動することが重要です。
まとめ
これまでFXのスキャルピングについてまとめてきました。
FXのスキャルピングではテクニカル手法やスプレッドの狭さなどトレード環境の見極めが重要です。またスキャルピング取引には強い精神力と集中力が求められます。スキャルピングで勝つためには、トレード手法も重要ですが、それ以上にトレードで継続的に稼ぐためのメンタルの強さが必要です。
FXトレードで稼げる手法とメンタルの強さが1つになって初めてトレードで継続的に稼ぐ事が可能になりますので、FX初心者の方はまずは稼ぐためのメンタルと２～３種類のテクニカル分析を身に付けて下さい。
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