仮想通貨取引所FTXは、日本法人設立のため2021年9月から日本人受け入れを停止しました。その後、FTX本社が経営破綻をしたため、現在はFTX日本法人は営業を停止して顧客資産の返還にあたっています。
仮想通貨のトレードをはじめるなら、国内の取引所と同時に使いはじめるべきなのがFTXです。
名前を聞いたことがある人も多いはずポン!
FTXは世界の仮想通貨取引所の中でも上位トップ5に入る取引高があり、仮想通貨の現物から先物、レバレッジトークンなど様々な仮想通貨商品を取扱っています。
ビットコインやアルトコインのトレードを行いやすい環境にあり、最大20倍の安定したレバレッジをかけられるため、仮想通貨トレードに集中したい人にはおすすめの取引所です。
特にクオンツゾーンと呼ばれる自動売買も提供しており、トレードが苦手な初心者でも利益を狙って行くことが可能です。
仮想通貨の自動売買は珍しいっコ
仮想通貨取引所としてはメリットが多い取引所で、トレードを行う上でのデメリットが少ないという特徴もあります。
そこで今回は、FTXの特徴と使う際のメリット・デメリットを紹介します。
FTXの特徴
まずは、FTXの特徴を紹介します。
取扱い銘柄ペア数 | 400以上 |
---|---|
最大レバレッジ | 20倍 |
手数料 | 【現物・先物】メイカー手数料、テイカー手数料0.070% |
スマホ対応 | 〇(専用取引アプリ) |
日本語対応 | × |
FTXでは、200種類を超える仮想通貨を取扱っており、トレードが行える銘柄ペアに関しては400種類を超えます。
取引ツールにはTradingViewを採用しており、様々な描画機能やインジケーターを搭載しているため、テクニカル分析を駆使できる高機能ツールを使ったトレードが行えます。
手数料に関しては特徴があり、現物取引と先物取引で同じ%が採用されています。Binance(バイナンス)などの取引所と同様、取引所トークンのFTTを保有すると手数料が割引される制度もあります。
現物とデリバティブ共に取引高が多い取引所
FTXは現物とデリバティブの両方で取引高が多い取引所です。
現物はトップ5に入る取引高があり、デリバティブに関してはトップ2の取引高がある取引所となります。(CoinGeckoのランキングから)。ちなみにデリバティブとは、金融派生商品のことで仮想通貨の先物やオプション取引のことです。
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もし取引高が低く流動性が少ない取引所だと、希望価格での注文が通らなかったり、値が飛んでトレードを行いにくくなってしまう恐れがあります。特に知名度が低いアルトコインだと、そもそもの取引高が少なく、取引所によってはトレードを行うことが困難な取引所もあります。
そのため、メジャーな仮想通貨だけではなくマイナーな仮想通貨をトレードをする場合にも使いやすい取引所です。
現物や先物、ステーキングなど多様な商品の取扱い
FTXでは仮想通貨の現物商品だけではなく、先物やレバレッジトークン、ステーキングなど様々な仮想通貨商品を取扱っています
FTXの現物取引では、200種類以上の銘柄でトレードを行うことが可能です。先物ではBTC-PERPやETH-PERPなどのメジャーな仮想通貨から、SUSHI-PERPやAAVE-PERPなどマイナーな仮想通貨まで取り扱われています。(PERPは無期限先物)
他にもデリバティブとしてビットコインのオプション取引も取扱っており、国内取引所には無い投資を行うこともできます。
オプション取引がある仮想通貨取引所は珍しいっコ!
また、ステーキングとは所有する仮想通貨を一時的にロック(使えないように固定)することで、報酬として利息が受け取れるサービスです。
FTXではFTTやUBXT、FIDAなどの仮想通貨を保有し、一定期間ロックをすることで利息報酬が貰えます。そのため、トレードに集中をしながらも、ステーキングで仮想通貨を保有し続けるだけで利益を得ることが可能です。
レバレッジトークンを取扱う
レバレッジトークンとは、あらかじめ決められたレバレッジが掛けられ、ロングとショートの設定がされた商品のことです。
例えば、BTCBULLであれば、ビットコインに3倍のレバレッジを掛けたロング(買い)の商品です。BTCBEARであれば、ビットコインに-3倍のレバレッジを掛けたショート(売り)の商品です。
FTXは、-1倍、-3倍、0.5倍、1倍、3倍の3種類のレバレッジを掛けた商品を提供していて、それぞれ銘柄の名称が異なります。
-1倍 | 銘柄名+HEDGE等 |
---|---|
-3倍 | 銘柄名+BEAR等 |
0.5倍 | 銘柄名+HALF等 |
1倍 | BVOL |
3倍 | 銘柄名+BULL等 |
あらかじめレバレッジが掛けられているため、現物の値動きの0.5倍や3倍の値動きとなります。
また、レバレッジトークンには自動リバランス機能があるため、自動的にレバレッジを一定の範囲に維持してくれます。
自動リバランス機能では、証拠金の状況によって利益が出ていればポジションを増やし、損失がある場合にはポジションを減少してくれます。本来自分で行わなければならないリスクの調整を自動的に行い、ポジションが調整されるため、普通にレバレッジを掛けるトレードよりもロスカットのリスクが低くなります。
FTX独自の先物商品
FTXには、独自の先物商品として、大統領選挙に関連した先物契約があります。現在FTXにて提供されるものとしては、TRUMP2024とBOLSONARO2022があります。
TRUMP2024は、2024年の米国大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利した場合には1ドル、同氏以外が当選した場合には0ドルで執行する先物契約です。
最近トランプ前大統領の話題を聞くことも少なくなりましたし、2021年9月の時点で価格は0.2ドル台を推移しています。ただ、7月までは0.1ドル以下になっていたことを考えると、最近は少し上昇する傾向にあるようです。
BOLSONARO2022も同様に、ブラジル大統領選挙でジャイール・ボルソナーロ氏が勝利した場合には1ドル、同氏以外が当選した場合には0ドルで執行する先物契約です。
過去にはPRESIDENT 2020 Tokenとして米国大統領選挙の勝敗によって価格が決まる、同様の先物契約も提供されていました。
このようにFTXでは、ブックメーカーのように各国の代表を決める選挙を先物契約として商品化し、投資を行えるように提供しています。
おもしろそうな商品がたくさんあるポン!
クオンツゾーンで仮想通貨の自動売買をはじめられる
クオンツゾーン(Quant Zone)は、トリガー(Trigger)とアクション(Actions)を設定することで、仮想通貨の自動売買を行うことができるツールです。
トリガーでは一定の条件を満たすとアクションが発動する設定を行え、アクションではトリガー発動後にあらかじめ設定したトレードを行うことができる設定です。
例えば、トリガーでビットコインの40,000ドルを超えた場合と設定し、アクションでビットコインを買う、といった設定を行うことができます。
例えでシンプルなトリガーとアクションを紹介しましたが、コードを書き加えることによってさらに詳細な設定を行うこともできます。
ちなみにクオンツゾーンのトリガー発動は最短でも15秒に設定されており、1分や10分と遅くすることはできますが、15秒以上早くすることはできません。
シンプルなルールであれば簡単に設定をすることができ、専用のツールなどを用意しなくても、FTXから仮想通貨の自動売買をはじめることができます。
定期的なIEOの開催
FTXでは、IEO(新規取引所公開)と呼ばれる、資金調達のための仮想通貨新規上場を定期的に行っています。
IEOは、ICOと異なり、取引所が新規上場仮想通貨のプロジェクトの審査を行うため、信頼性と将来性ある仮想通貨に投資することができます。株式投資のIPOと似た投資でもあるため、多くの投資家がIEOを狙って参加し、人気ある仮想通貨ほど価格上昇を期待することができます。
2021年8月にはStar Atrlas(スターアトラス)と呼ばれるマルチバースゲームで使われる、ATLASとPOLISの2つがIEOとしてFTXに上場しました。
IEOにはFTXが独自に発行するFTTトークンによって参加することができます。
FTXのメリットを紹介
FTXには大きく4つのメリットがあります。
✔独自トークンのFTT保有で手数料がお得に
✔豊富な仮想通貨で安定した取引ができる
✔パソコンだけではなくスマホアプリでもトレード可能
✔ゼロカットにより追証の心配なし
それぞれのメリットを紹介していきます。
独自トークンのFTT保有で手数料がお得に
FTXには独自トークンのFTTがあります。FTTはIEOに参加をするために必要な他に、手数料が割引されるメリットがあります。
手数料の割引には、FTTを単に保有している場合と、FTTのステーキングを行っている場合の2種類あります。
保有量による割引は、下記のように、保有量のドル建て金額が100ドルの場合は3%割引、1000ドルの場合は5%と、段階別に分かれています。
ステーキングの場合は、25FTT以上をステーキングしておくことで、メイカー手数料が無料になります。さらに、150FTT以上をステーキングすると、0.0005%と少額ですが、メイカー手数料の還元を受けることができます。還元率は段階的に上がっていき、最大で0.0030%まで還元されます。
受け取りになるのはうれしいポン!
ステーキングができたり手数料が安くなるだけの仮想通貨に思えるかもしれませんが、FTT自体の価値も上がり続けるとされています。
FTTは定期的にバーン(焼却)によって総数が減少しています。
このバーンは、FTTの総数を減らすことによって1枚当たりの価値を上げることを目的としており、FTX内で発生した取引手数料の1/3がFTTの買戻しに充てられています。
予定では、バーンは発行総数3億5000万枚が半分になるまで行われ続けるため、FTT自体を持っておくことで価値上昇を期待することもできるのです。
FTT関連の銘柄ペアもたくさんあるから、FTTは持っておいて損はないポン!
豊富な仮想通貨で安定した取引ができる
FTXには400種類を超える銘柄ペアの取扱いがあり、世界の取引所の中でも上位の取引高があります。
これは仮想通貨のトレードを行う場合に大きなメリットであり、銘柄ペアが少ない取引所よりも投資の幅を広げることができます。
特に国内仮想通貨取引所と比べると銘柄ペアの差はかなりあり、アルトコインのトレードを行うのであればFTXの方が種類がたくさんあるのでおすすめです。
レバレッジに関しても最高20倍のレバレッジを掛けることができ、国内の最大2倍と比較すると資金効率の差は歴然です。
もちろんトレードの行いやすさとしても、FTXにはしっかりと流動性があり、高機能な取引ツールを使えます。
仮想通貨のトレードに集中したい人にとっては最適な環境が整えられており、株式やFXなどのトレード経験者が仮想通貨トレードをはじめる取引所としてもおすすめです。
パソコンだけではなくスマホアプリでもトレード可能
パソコンからのトレードだけではなく、専用スマホアプリのFTXProでもトレードをはじめることができます。iOSとAndroidの両方でアプリが用意されているため、機種を選ばずインストールすることが可能です。
FTXProは日本語に対応しており、ウォレットの管理や入出金、パソコンと同様のトレードを行うことができます。
FTXは以前日本語対応を行っていたため、アプリなど一部のサービスは日本語版が残っている場合もあります。ただ、一度行っていた日本語対応を取りやめたという事情のため、今後日本語対応サービスが拡充される可能性は低いでしょう。あくまでも、現在はアプリで日本語表示も可能という状況です。
チャートはパソコン版と同様にTradingViewが用意されており、描画やインジケーターを表示させてテクニカル分析を行うことが可能です。
注文画面や板の表示なども、パソコン版と似たデザインとなっているため、パソコンでしか普段トレードをしない人でもスマホから気軽にトレードができます。
仮想通貨取引所のアプリによってはチャートと発注画面が切り分けられており、チャートを見ながらトレードを行うことができないアプリもありますが、FTXProでは1つの画面にチャートと発注が集約されているため、チャートを見ながらリアルタイムにトレードを行うことができます。
普段はパソコンではなくスマホメインでトレードを行っている人でも、トレードが行いやすい環境がFTXでは整えられています。
家ではパソコン、外ではスマホでトレードというスタイルもやりやすいポン!
ゼロカットにより追証の心配なし
FTXには追証が発生しないゼロカットを採用しています。
追証は取引所に預ける資金よりも大きな損失が発生した際に抱えてしまう借金のことです。
例えば、資金100万円を取引所の口座に入金して、ビットコインのレバレッジを掛けたトレードで150万円の損失を出してしまうと、口座にある資金以上の損失として-50万円が発生します。
追証がある国内取引所などでは、追証によって‐50万円が発生すると借金として返済をしなければなりません。しかし、FTXには追証が発生しないゼロカットがあるため、100万円の資金に対して‐150万円の損失が発生しても、口座は‐50万円ではなく0円となるのです。
そのため、国内取引所よりも高いレバレッジでリスクを取ったとしても、最悪の場合に追証ではなく口座の資金が0円になるだけで済むのです。
ボラティリティ(値動き)が非常に大きい仮想通貨では、レバレッジを掛けた場合に他の投資よりも追証発生リスクが高いため、ゼロカットがあるFTXでトレードを行うだけでも安全なトレードを行えるのです。
FTXのデメリットを紹介
FTXには大きく3つのデメリットがあります。
✔本人確認(KYC)の制限が厳しい
✔最高レバレッジは100倍から20倍へ引下げ
✔常時開催ボーナスはほとんどなし
それぞれのデメリットを紹介していきます。
日本語には未対応
FTXのホームページは残念ながら日本語に対応していません。トレード画面や発注の際も英語ベースで利用しなければならないのです。
ただ、英語が苦手な人にとって完全に使えないというわけではなく、各種ブラウザに搭載される翻訳機能を使うことができます。日本の取引所のような完璧な日本語ではありませんが、単語のレベルでは解釈できる日本語でFTXを使うことができます。
FTXのホームページは見やすくデザインされているため、英語のままでも慣れてくれば十分使えるようにもなります。そのため、使いはじめは解釈しにくい日本語や慣れない英語で少し苦労するかもしれませんが、英語が苦手な方でも数週間~数ヵ月程度使い続けることによって、難なくFTXを使えるようになるはずです。
また、以前は日本語サービスを提供していたため、スマホアプリのFTXProはまだ日本語に対応しています。
本人確認(KYC)の制限が厳しい
最近、海外取引所で本人確認(KYC)強化の流れが出てきます。Binance(バイナンス)は2021年8月に、すべてのユーザーにKYCの第一段階である身分証の提出を義務付けることを発表しました。
FTXのKYCは、主に出金額が大きく制限されています。
身分証を提出しない段階では、1日あたりの出金額が2,000ドルに制限されてしまいます。KYCを行わなくてもある程度の出金が可能な仮想通貨取引所もある中で、これはかなり厳しい制限といえます。
海外取引所のKYCについては、この記事にまとめました。
最高レバレッジは100倍から20倍へ引下げ
海外仮想通貨取引所の魅力として100倍以上のレバレッジが掛けられるといった魅力がありますが、FTXでは最高100倍のレバレッジから最高20倍のレバレッジに変更が行われました。
ハイリスクハイリターンなトレードを行いたい人にとってレバレッジの変更は一つのデメリットとなるかもしれません。
レバレッジの引き下げは、世界各国の当局による規制強化の影響を受けたもので、Binance(バイナンス)でも引き下げが行われています。FTXはレバレッジを引き下げる際、「多くのユーザーからは好評だが、実際に使っている人はほとんどいない」と発表しました。実際、仮想通貨は値動きが大きいため、レバレッジ20倍でも十分高いと思う人が多いようです。
常時開催ボーナスはほとんどなし
残念ながら海外FXなどにあるボーナスが、FTXにはほとんどありません。
過去には、入金額に応じてボーナスが受け取れる入金ボーナスや、約1ヶ月の期間中の取引量が100万ドル以上に達するとボーナスとして777ドルが獲得できる777チャレンジなどを開催したこともありますが、いずれも期間限定のものでした。
その上、入金やトレードによって簡単に受け取れるボーナスはほとんど無く、一定の条件があるもので少額トレードだと達成することも難しいものばかりなので、FTXのボーナスに関してはあまり期待しない方がいいでしょう。
仮想通貨取引所の中では、Bybit(バイビット)が受け取りやすいボーナスを多数開催しています。また、FXGTやBitterxなど、仮想通貨に特化した海外FX業者であれば、入金額の100%がボーナスとしてもらえるなどの、高額なボーナスを提供しています。
FTXは初心者から上級者まで、しっかり使える仮想通貨取引所
以上がFTXの特徴と使う際のメリットとデメリットの紹介となります。
FTXは取引高が多く、取扱い仮想通貨の種類も多く、ステーキングやレバレッジトークンなど多様な商品を取扱う、トレードを行うには最高の環境が整った取引所です。
パソコンとスマホの両方で使いやすい取引ツールがあるため、FXや株式から仮想通貨をはじめようと考える方にもおすすめです。
クオンツゾーンは初心者でも設定を行うことができ、やり方次第では複雑で優秀な自動売買ツールを作り上げることも可能です。特に、FXや株式のトレードを行いながらも仮想通貨をはじめたい場合には、両方のトレードをやり続けることは難しいため、仮想通貨はFTXのクオンツゾーンで運用するという方法もあります。」
忙しい人でもできるポン!
FTXは初心者から上級者までしっかりと使うことができる取引所となるので、興味がある方は口座開設を検討してみてください。
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