仮想通貨取引所FTXは、日本法人設立のため2021年9月から日本人受け入れを停止しました。その後、FTX本社が経営破綻をしたため、現在はFTX日本法人は営業を停止して顧客資産の返還にあたっています。
FTXは、口座開設してトレードするだけなら、本人確認(KYC)なしで使用できます。
しかし、KYCなしだと出金できる金額が1日あたり2,000ドルとなるほか、クレジットカード入金を行ったり、仮想通貨のIEO(新規取引所公開)に参加したりすることができません。
2,000ドルという金額は、海外取引所の中でもかなり厳しい制限なので、なるべく口座開設と同時にKYCを済ませておくのがおすすめです。
この記事では、FTXの口座開設方法や二段階認証の方法、KYCのやり方を図解します。
FTXの口座開設方法
FTXの口座開設を行うには、まず口座開設フォームにアクセスします。
FTXは日本語非対応の仮想通貨取引所なので、日本語表示させることはできません。大まかな日本語が知りたい人は、Googleなどのブラウザの自動翻訳機能を利用しましょう。
アカウント情報入力
メールアドレスまたは携帯電話番号で登録できる仮想通貨取引所がほとんどですが、FTXではメールアドレスのみで登録を行います。
①メールアドレス、②パスワードを入力します。その後、③利用規約への同意にチェックを入れ、中央の「Click to verify」をクリックします。
アルファベットの大文字・小文字や数字のパスワードで登録できる仮想通貨取引所も多いですが、FTXは「!@#$%^&*」の記号も含める必要があるので、入れてください。
「Click to verify」をクリックすると、パズルが表示されるので、完成させてください。
パスワードの入力が完了していると、最初のフォームで下部に「IMPROVE PASSWORD」と表示されていた部分が「SIGN UP」に変更されるので、「SIGN UP」をクリックします。
この作業が完了すれば、アカウントが開設され、自動でログインされます。
他の仮想通貨取引所であるような、メールアドレス宛てに確認コードが送信される手順は不要です。FTXからのメールが受け取れない可能性があるため、メールアドレスは入力を間違えないようにしましょう。ログイン後アカウント名として表示されるので、間違っていないかはすぐ確認できます。
アカウント開設後は、すぐに二段階認証の設定を行うことをおすすめします。
FTXの二段階認証の設定
ログイン後、マイページ右上のアカウント名(メールアドレス)をクリックしてメニューを表示させ、「Settings」をクリックします。
プロフィール内の「セキュリティ(Security)」ページが表示されるので、「二段階認証(Two-Factor Authentication)」の項目の下記3つの選択肢の中から、利用したい二段階認証をクリックします。
- AUTHY / GOOGLE AUTHENTICATOR(Google認証)
- SECURITY KEY(物理的セキュリティキー)
- SMS(スマホ認証)
Google認証は、専用のアプリをインストールすることになるので、手続きが面倒です。スマホ認証の方が手軽にできます。しかし、安全性の面ではGoogle認証の方が高いです。スマホ認証はSMSを利用することになりますが、SMSは通信を傍受することができるそうです。
SMS認証を選択すると、「Google認証の使用を強く推奨する」というコメントが表示されるので、FTXとしてもセキュリティに問題があるという認識なのでしょう。なるべくGoogle認証を利用することをおすすめします。
真ん中の「SECURITY KEY(物理的セキュリティキー)」は、他の仮想通貨取引所では見かけない方法ですが、USBをキーにする方法です。
ここからは、Google認証とスマホ認証の方法を図解します。
Google認証
「AUTHY / GOOGLE AUTHENTICATOR」をクリックすると、Google認証の登録画面が表示されます。
Google認証が初めての人は、iPhoneかAndroidか、デバイスに応じてアプリをダウンロードします。FTXのページからは直接移動できないので、ストアでアプリの名称を入力して検索します。iPhoneは「Google Authenticator」、Androidは「Google 認証システム」です。
インストールが完了したら、アプリを立ち上げてQRコードの読み込みを行います。アプリ画面に表示される「+」ボタンをクリックすると、QRコードの読み込み画面が表示できます。
QRコードの下に表示されるアルファベットのキーは、Google認証にアクセスできなくなった場合の復元に必要なので、メモして保管しておいてください。
読み込みとメモが完了したら、「Authy/GA 2FA Code」の欄に6桁のコードを入力して、右下の「SUBMIT」ボタンをクリックします。
これで設定は完了し、「二段階認証(Two-Factor Authentication)」の項目に「AUTHY / GOOGLE AUTHENTICATOR(Google認証)」と表示されます。
Google認証のコードを入力してもエラーが出てしまう場合は、スマホ側で、「携帯電話の日時設定を自動にする」操作を行ってください。
これをやらないと確実にエラーが出るっコ!
日時設定を自動にするには、Androidの場合、「設定」から「システム」をクリックし、「日時と時間」を選択します。そこに、「日付と時刻の自動設定」という項目があるので、それをONにします。
iPhoneの場合は、こちらのページで確認できます。
この手順でも解決しない場合は、下記の記事を参考にしてください。
スマホ認証
「SMS」をクリックすると、スマホ認証のための電話番号登録画面が表示されるので、電話番号を入力して「GET CODE」をクリックします。
国番号は日本の国旗が自動表示入力されるはずなので、念のため確認し、もし違う国の国旗になっていた場合は手動で変更してください。電話番号は、「090********」などの電話番号の、頭の「0」を抜いて、「90********」として入力してください。これは、国番号付きの電話番号の表示ルールです。
「GET CODE」をクリックすると、スマホ宛に認証コードが送信されます。次の画面でコードを入力し、「SUMIT」をクリックします。
これで設定は完了し、「二段階認証(Two-Factor Authentication)」の項目に「SMS」と表示されます。
FTXの本人確認(KYC)の方法
FTXでは、本人確認(KYC)を行わなければ、1日の出金限度額が2,000ドルに制限されます。
仮想通貨取引所への規制が各国で厳しくなっていることが影響しているようで、Binance(バイナンス)など他の業者でもKYCは厳しくなっている傾向があります。
なかでも、FTXの2,000ドルというのはかなり厳しい水準なので、なるべく口座開設と同時に終わらせておきましょう。
FTXのKYCは3段階
FTXの本人確認(KYC)は、レベル0、レベル1、レベル2の3段階に分かれています。それぞれ、1日あたりの出金限度額や提出が必要な書類が異なります。
レベル0 | レベル1 | レベル2 | |
出金限度額 | 出金不可 | 2,000ドル | 無制限 |
必要書類 | なし | なし | 顔認証+運転免許証・パスポート・マイナンバーカードのいずれか一点 |
FTXのKYCは、他の海外取引所と異なり、レベル2の段階で身分証の提出を求められます。レベル1の段階では、電話番号等の詳細情報を入力するだけなので、負担は大きくありません。
そのため、一般的な海外取引所でのレベル1のKYCが、FTXのレベル2に相当すると考えていいでしょう。
FTXのレベル1認証の方法
FTXのレベル1認証を行うには、マイページ右上のアカウント名(メールアドレス)をクリックしてメニューを表示させ、「Settings」をクリックします。
プロフィール内の「Security(セキュリティ)」ページが表示されるので、メニューから「Identity Verification(本人確認)」をクリックして切り替えます。
現在のアカウントステータスが「Individual: Unverified(未確認)」と表示されているので、その下の「ENABLE TRADING AND DEPOSITS(トレードと入金を有効にする)」ボタンをクリックします。
アカウント開設者が個人か法人か聞かれるので、個人なら「Individual」を、法人なら「Institution」を選択してください。
個人と法人のそれぞれの場合で、必要な情報が異なるので、別の入力フォームが表示されます。
個人の場合は、①氏名、②居住国名、③地域、④電話番号、⑤誕生日を入力します。電話番号は認証が必要なので、入力後に「REQUEST SMS CODE」をクリックしてコードを送信し、電話番号の下の欄にコードを入力してください。(番号の頭の0は抜きます)
①~⑤までが完了したら、「SUBMIT IMFORMATION」ボタンをクリックしてください。⑤誕生日以降にも入力欄はありますが、入力が必須の項目ではないので、空欄でOKです。
「SUBMIT IMFORMATION」ボタンをクリックすれば、レベル1認証は完了です。
FTXのレベル2認証の方法
FTXのレベル2認証を行うには、レベル1のときと同様に「Indentity Verification(本人確認)」のページを表示させ、「INCREASE WITHDRAWAL LIMITS, ENABLE FIAT」ボタンをクリックします。
①氏名、②居住国、③収入源を入力し、④「Start」ボタンを押して身分証の照合を完了させます。その後、⑤住所を入力します。
氏名は、身分証(免許証・マイナンバーカード・パスポート)に載っている名前と一致している必要があるので、漢字表記の場合は漢字にしてください。収入源は、「Income(収入)」、「トレード収入(Trading)」、「Other(その他)」の中から選択します。
その後、レベル1認証で行ったのと同様の電話番号認証を再度行います。(レベル1認証で電話番号を済ませていても、再度同じ認証が必要です)
電話番号を入力後に「REQUEST SMS CODE」をクリックしてコードを送信し、電話番号の下の欄にコードを入力してください。(番号の頭の0は抜きます)。
レベル1のときと同様、電話番号以降の2つの欄は入力不要ですが、最後の欄のみ記入が必要です。
この欄は、「この情報を自主的に提出します。第三者に指示されているわけではありません」という文章を、英語で一言一句書き写すためのものです。やや面倒ですが、コピペできない仕様になっているので、上の文章を見てその通り書き写してください。
イメージとしては、銀行ATMで振り込め詐欺を防止するための質問のようなものです。
すべて完了したら、「SUBMIT IMFORMATION」ボタンをクリックしてください。その後、FTX側で審査が行われます。
まとめ
FTXは、本人確認(KYC)なしでも使える仮想通貨取引所ですが、1日あたりの出金額制限がきついので、KYCを行うことをおすすめします。
ただ、そのKYCも、他の海外取引所と比べるとかなり手間がかかるのがデメリットです。
この記事を参考に、KYCの手続きをやってみてください。
コメント