「パラボリックSAR」とは、単に「パラボリック」とも呼ばれるトレンド系のインジケーター(テクニカル指標)です。
トレンドの切り替わりを視覚的に把握することができ、トレンド転換を察知するのが早いことで人気があります。
FXのチャート上にパラボリックを表示させて過去の値動きを見てみると、かなり良いタイミングで切り替わっていることが多いですよね。
しかし、パラボリックはそんなに都合の良いツールではありません。それを鵜呑みにして使っても、思ったほど良い結果は残せないでしょう。そのため、「使えない」と言われてしまうこともあります。
仕組みをよく理解しておくことが重要だポン!
今回はパラボリックの使い方と、使う際の注意点について解説していきます。
パラボリックSARはどんなテクニカル指標?
パラボリックSARには英語で『放物線』という意味があり、以下のようにチャート上に放物線が描かれます。
ローソク足の下に表示されるパラボリック(青丸で囲った部分)が上昇トレンド、ローソク足の上に表示されるパラボリックが下落(緑丸で囲った部分)トレンドです。
パラボリックをよく理解するために、以下の3点を紹介します!
- ドテン用のテクニカル指標
- ダマシが多い
- サインは次の足が始まるまで確定しない
なお、このパラボリックを開発したのは、アメリカのテクニカルアナリストである「J.W.ワイルダー」氏です。ワイルダー氏はパラボリックだけでなく、ピボットの開発者としても知られています。
ドテン用のテクニカル指標
パラボリックSARは「ドテン用のテクニカル指標」と言われます。SARは「Stop And Reverse(ストップアンドリバース)」の略であり、これはドテンの概念を含んでいます。
しかし、ダマシが多いためパラボリックのみを判断基準にしてエントリーするのには向きません。ほかのテクニカル指標と組み合わせてエントリーするのがおすすめです。
ダマシが多い
パラボリックSARは、トレンドが転換したのを察知するタイミングが早いという特徴があります。
ただし、その代償として「ダマシ」も多くなってしまいます。
パラボリックと同じくトレンド転換のタイミングを示すテクニカル指標として有名な、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスと比較してみると、パラボリックの方がサインが出るタイミングがかなり早いです。
トレンド転換のサインが早ければ、うまくトレンドが進んだときに得られる利益が多くなります。一方で、予想通りにトレンドが進まず、すぐに再度トレンド転換のサインが出てしまうリスクがあります。
ゴールデンクロス・デッドクロスとの比較ではピンクの円あたりに注目してください。パラボリックで下落のサインが出た後、①上昇、②再度下落、③再度上昇とサインが3回切り替わる間、ゴールデンクロス・デッドクロスでは最初に出た下落のサインが継続しています。
パラボリックはダマシが多いということだっコ
サインは次の足が始まるまで確定しない
パラボリックSARでトレンドが継続するかトレンド転換のサインが出るかは、現在の足が終わって次の足が始まるまで確定しません。
そのため、一旦トレンド転換のサインが出ても、そのサインが消える可能性があります。
次の足が始まるまでにサインが変更されるのは、移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスも含めトレンド転換のサインが出るテクニカル指標全般にみられる現象なので、特にパラボリックだけの注意点ではありません。
ただし、パラボリックはトレンド転換が視覚的にわかりやすいテクニカル指標なので、パラボリックを信じてエントリーして失敗すると「使えない」という印象が強くなってしまうのかもしれません。
例えば、①のローソク足のパラボリックは下に位置していますよね。しかし、これは最初から下にあったわけではありません。
①の始値の時点では、パラボリックはローソク足の上にありました。つまり、価格が上昇してローソク足にぶつかったタイミングで、下に切り替わったのです。
エントリーサインとして使うなら、この特徴を頭に入れておきましょう!
ちなみに、パラボリックは「リペイントする」という認識を持たれることもありますが、次の足が始まって一度サインが確定した後にサインが変わるわけではないため、リペイントではありません。
リペイントするインジケーターとして代表的なのはZigZag(ジグザグ)です。
ZigZagは、価格の高値と安値を結ぶことで価格の波を視覚化するインジケーターです。ZigZagにはリペイントがあり、新しい高値や安値が形成されると既存のラインが修正されることがあります。
パラボリックSARの使い方とは!? ダマシ回避が必須!
パラボリックSARの使い方は非常にシンプルです。
ここからは、基本の見方や注意点を紹介します!
パラボリックの基本の見方
チャートにパラボリックSARを適用し、価格がドットの上にある場合は売りシグナル、価格がドットの下にある場合は買いシグナルと判断します。
上昇トレンドの場合、パラボリックのドットが価格の下に連続して表示されます。この状態が続く間は買いポジションを維持し、価格がドットを下回ったら売りシグナルと判断します。
下降トレンドの場合は逆に、ドットが価格の上に連続して表示されます。この状態が続く間は売りポジションを維持し、価格がドットを上回ったら買いシグナルと判断します。このようにして、パラボリックはトレンドの転換点を早期に捉えることができます。
ほかのテクニカル指標と併用する
パラボリックSARは、トレンド転換のサインが出るタイミングが早い代わりに、ダマシが多いという特徴があります。ダマシで損失が出るのを避けるため、ほかのテクニカル指標と併用するのがよいとされています。
例えば、以下のような組み合わせが考えられます。
- 移動平均線で長期トレンドを確認し、そのトレンドに沿ったパラボリックのシグナルのみを採用する
- RSIやMACDなどのオシレーター系指標を併用してトレンドの強さを確認し、パラボリックのシグナルが信頼性の高いものであるかどうかを判断する
調整できるパラメーターは加速因子のみ
パラボリックSARは、自分で調整できるパラメータが少ないインジケーター(テクニカル指標)です。
多くのテクニカル指標では、計算対象となる期間を設定できますが、パラボリックは期間ではなく「加速因子」のパラメーターを設定します。
パラボリックは直近でトレンドが転換したタイミングから計算を始めるため、計算期間の設定が必要ありません。
トレンド転換サインが出るのが早いという特徴があるパラボリックですが、この加速因子の設定を調整することで、トレンド転換サインが出るタイミングを比較的遅くすることもできます。
まとめ
今回はパラボリックの使い方と、使う際の注意点について解説してきました。
- エントリーに使う時は現在足のサインが変わる可能性に注意する
- トレンド判断よりも、トレンドの勢いの判断に用いたほうが良い
- 動きに合わせてトレーリングストップにも使える
パラボリックは思ったほど都合の良いツールではありませんが、シンプルでローソク足の邪魔もしませんので、わりと使いやすいかと思います。
パラボリックを使う時には、今回の解説を参考にしていただけると幸いです。
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