海外仮想通貨(暗号資産)取引所でよく使われる用語「KYC」。「顧客を知る(Know Your Customer)」の略で、身分証明書などを提出して本人確認を行うことです。
数年前までは「海外仮想通貨取引所は、以前は本人確認(KYC)なしで利用できる」と言われていましたが、現在は規制強化により状況が変わってきています。
段々厳しくなっていってるよ・・・
まだKYCなしで高額の出金ができる海外仮想通貨取引所もありますが、規制強化の傾向を考慮すると、よほど事情がある場合を除けばKYCを済ませておくのをおすすめします。
KYCを済ませると、ボーナス等の特典が利用できるといったメリットを用意している仮想通貨取引所もあります。
この記事では、KYCの仕組みから、代表的な仮想通貨取引所が設定しているKYCなしの場合の制限、KYCによる出金制限などを詳しく紹介します。
海外FXで仮想通貨を取引するならFXGT!
銘柄数もボーナスも充実!
大手海外FX業者、FXGTの詳しい解説
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
一般的なKYCの仕組み
仮想通貨取引所の一般的なKYC(本人確認)は、以下の3段階に分かれます。
- KYCなし
- KYCレベル1(身分証の確認)
- KYCレベル2(住所の確認)
それぞれ具体的に何をするかを紹介します。
KYCなし
KYC(本人確認)なしの仮想通貨取引所の場合、メールアドレスや電話番号などの連絡先の情報を入力すれば利用開始できます。
氏名を登録する必要もありません。
名前もいらないのはすごいポン!
仮想通貨は匿名性を重視していることもあり、以前はKYCなしで取引などのサービスを利用できるのが普通でした。
現在でもその仕組みを貫いている仮想通貨取引所もありますが、現在ではKYCなしの段階ではサービスの利用に制限をかけるのが主流になっています。
Binance(バイナンス)に米当局が巨額の罰金を科すなど規制が強まっていることや、アラブ首長国連邦(UAE)などの金融ライセンスを取得するなど従来の金融の枠組みに近づいていっている仮想通貨取引所が増えていることも背景にあると思われます。
企業としての信頼性が上がった代償とも言えるっコ・・・
KYCレベル1
一般的な仮想通貨取引所では、KYCレベル1で身分証の確認を行います。
日本の運転免許証もKYCレベル1に利用できます。
身分証だけだと画像を入手した第三者が勝手に悪用して口座開設ができてしまうので、多くの仮想通貨取引所では、動画撮影での確認フローを入れています。
動画撮影では、自分の顔をカメラに映してその顔を大きく回すなどの動作を行い、その身分証を持つ本人がカメラの前にいることを証明します。
国内取引所では、口座開設の段階で運転免許証等の顔写真付き証明書と住所証明書の両方が必要ですが、海外取引所では、住所証明書はKYCレベル2以降で必要となることが多いため、比較的簡単です。
大手仮想通貨取引所のBybit(バイビット)の口座開設方法・KYCのやり方についてはこちらの記事にまとめています。
KYCレベル2
仮想通貨取引所のKYCレベル2では、住所が確認できる書類の提出を行います。
しかし、一般的な仮想通貨取引所は身分証の確認でほとんどの機能を利用できるようになりますので、KYCレベル2まで完了させるユーザーは少ないです。
特に高額の入出金をする予定のあるユーザーなどがKYCレベル2まで行っています。
KYCレベル2とは別に、法人用口座を用意している仮想通貨取引所もあります。
仮想通貨取引所をKYCなしで利用する際の制限
規制の圧力が強まったことにより、海外仮想通貨(暗号資産)取引所をKYC(本人確認)なしで利用する際の制限はどんどん厳格化されています。
制限のパターンは、以下の3つにわけられます。
- 全サービス利用不可
- ボーナス等の特典の制限
- 1日あたりの出金額を制限
全サービス利用不可
ルールが厳格な海外仮想通貨取引所では、KYCを終わらせなければ全サービスが利用不可になります。
ただし、ルールが厳格化される前に口座を開設したユーザーへの救済措置として、出金や決済のみ認められている場合もあります。
どうしてもKYCをしたくない人は出金が必要だね
例えば、人気の仮想通貨取引所Bybit(バイビット)では、KYCが終わっていなくても出金だけは可能です。KuCoinはさらに救済措置の幅が広く、仮想通貨の売却やポジションの決済、ステーキング等のサービスの償還は行うことができます。
ボーナス等の特典の制限
仮想通貨取引所の中には、KYCなしでも基本機能は利用できるものの、KYCを完了するとボーナス等の特典を利用できるようになるところもあります。
これは、金融当局による規制の影響というよりは、お得な特典を1人1回に制限するという仮想通貨取引所側の事情であると思われます。
1日あたりの出金限度額を制限
日本人に人気の海外仮想通貨取引所はすべて、1日あたりの出金限度額を設定しています。KYCをすれば、この出金限度額が引き上げられます。
KYCをすれば一般ユーザーは意識する必要がないくらい上限が上がるよ!
そのため、KYCをしなくてもほかのサービスは利用できる仮想通貨取引所では、KYCの有無は1日あたりの出金限度額にのみ影響します。
1日あたりの出金限度額しか制限を設定していない仮想通貨取引所はルールが緩い傾向があるので、ほかにもルールが設定されている仮想通貨取引所に比べると、出金限度額の制限は緩いことが多いです。
仮想通貨取引所のKYCによる出金制限を比較
海外仮想通貨取引所には、いくつかの本人確認(KYC)のレベルが設定されています。
KYCなし、KYCレベル1、KYCレベル2の3段階にわかれる仮想通貨取引所が多いですが、KYCなしとありの2段階の取引所や、4段階に分かれる取引所もあります。
日本人に人気の海外仮想通貨取引所のKYCによる1日あたりの出金制限は以下のようになっています。
仮想通貨取引所 | KYCなし | KYCレベル1 | KYCレベル2 |
Bybit | 2万USDT(1日) 10万USDT(1か月) | 100万USDT※1 | 200万USDT※1 |
MEXC | 10 BTC | 80 BTC | 200 BTC |
KuCoin | 0~3万USDT | 999,999 USDT | |
Gate.io | 10万USDT | 200万USDT | 500万USDT※2 |
Bitget | 5万ドル相当(1日) 10万ドル相当(1か月) | VIPレベルに応じて300万~1500万ドル相当 | |
BingX | 5万USDT | 500万USDT | |
ZOOMEX | 10BTC | 50BTC | 100BTC |
※2 Gate.ioには、さらにKYCレベル3が設定されており、800万USDTの出金が可能になります。また、2023年ごろにKYCの仕組みが変更されたようで、現在は限度額が異なる可能性があります。
MEXCとZOOMEXが10BTC
日本人に人気の海外仮想通貨取引所の中では、MEXCとZOOMEXの出金限度額が1日に10BTCという非常に高い金額になっています。
1BTC=6万ドル、1ドル150円で計算すると、10BTCは9000万円という大金です。それも、1日あたりの出金限度額に過ぎないので、日を改めればこれ以上に出金することができます。
この2社は、ほとんどの個人トレーダーには影響しないほど出金制限が緩いので、大口トレーダーの利用に向いているかもしれません。
ただし、どちらも比較的規模の小さい仮想通貨取引所なので利用には注意が必要です。MEXCはデリバティブの取引高で世界35位であり、ZOOMEXはもっと低い順位です。
一般的に、仮想通貨取引所の規模が大きくなればなるほど、規制当局の監視は厳しくなり、仮想通貨取引所側でも厳しいルールが設定される傾向があります。
1日に10万USDT以下の出金制限
MEXCとZOOMEX以外の海外仮想通貨取引所は、1日の出金制限が10万USDT以下と比較的少額です。
日本人に人気のBybitは特に限度額が低く、1日あたり2万USDTとなっています。
1ドル150円で計算すると、2万USDTは約300万円なので、個人トレーダーでも制限がかかってしまう人もいるでしょう。
KYCなしにこだわりたい方以外は、口座開設と同時にKYCを済ませてしまうことをおすすめします。
各仮想通貨取引所のKYCの仕組み
KYC(本人確認)による制限には、出金限度額の制限のほかにも、一部の機能が使えないといったものもあります。また、KYCの有無で出金限度額が制限される仕組みも、仮想通貨取引所によって微妙に異なります。
ここからは、主要な海外仮想通貨取引所のKYCによる制限の仕組みを詳しく解説します。
- Bybit
- MEXC
- KuCoin
- Gate.io
BybitのKYC
Bybit(バイビット)では、KYC(本人確認)の段階が3つにわかれています。
本人確認なし | 出金のみ可能 出金限度額が1日2万USDT~、1か月10万USDT~ |
レベル1 | 全ての機能が利用可能 出金限度額が1日100万USDT~ |
レベル2 | 全ての機能が利用可能 出金限度額が1日200万USDT |
KYCなしでは入金や取引、資産運用が一切できないのが特徴です。KYCなしでは利用できない仮想通貨取引所になります。
ほかの仮想通貨取引所と同様にKYCなしの場合の出金制限が設定されており、出金のみは可能です。しかし、そもそも入金ができないので、新しく口座を開設したユーザーには無関係です。
以前はKYCなしで入金や一部の取引が可能だったため、その時期に口座を開設したユーザーへの救済措置と思われます。
制限は厳しいっコ・・・
KYCレベル1を完了すると、すべての機能が利用できるようになります。KYCレベル1とKYCレベル2の違いは1日あたりの出金限度額のみです。
取引高などの大きいVIPユーザーになると、同じKYCレベルでも上限が引き上げられる仕組みもあります。VIPレベルが最大になると、KYCレベル1でも1日あたり3000USDTが出金できるようになります。
MEXCのKYC
MEXC(メクシー)では、KYC(本人確認)の段階が3つにわかれています。
認証なし | 出金限度額が1日10 BTC |
初級認証 | 出金限度額が1日80 BTC |
上級認証 | 出金限度額が1日200 BTC |
Bybitと同様にKYCをしなければ取引ができない仮想通貨取引所です。
KuCoinのKYC
KuCoinでは、KYC(本人確認)の段階が2つにわかれています。
未確認 | ・売却・ポジション決済・償還のみ可能 ・出金限度額が1日0~30,000 USDT (提供された本人確認情報に基づく) |
確認済 | ・全ての機能が利用可能 ・出金限度額が1日999,999 USDT |
KYCありかなしかだけだからシンプルだね!
KuCoinでは、KYCをしなければ売却・ポジション決済・償還と出金のみしかできないため、KYCは必須の仮想通貨取引所です。
KYC確認済の場合の1日の出金限度額は999,999 USDTです。1ドル155円のとき約1億5000万円となり、ほかの仮想通貨取引所と比べるとやや低いものの、個人トレーダーの規模では十分な金額を出金できます。
Gate.ioのKYC
Gate.ioでは、KYC(本人確認)の段階が3つにわかれています。
KYCなしでも入金は可能です。しかし、KYCを終わらせなければ出金ができません。
KYCなし | 出金不可 |
本人確認(KYC) | ボーナス等の受け取りが可能 |
住所確認 | Gate.ioが指定した取引の出金に必要 |
Gate.ioは初期から運営されていた老舗の仮想通貨取引所です。仮想通貨業界は匿名であることを重視する傾向がありますので、Gate.ioも以前はKYCがなくても利用が可能な仮想通貨取引所として有名でした。
しかし、2023年に方針転換をしたようで、現在ではKYCが必須になっています。
海外仮想通貨取引所の規制は強化傾向
海外仮想通貨取引所では年々KYC(本人確認)の流れが強まっています。
もともと無ライセンスで運営されることの多かった仮想通貨取引所ですが、アラブ首長国連邦(UAE)など仮想通貨を誘致している国のライセンスを取得する取引所も出てきました。BybitもUAEのライセンスを取得しています。
コンプライアンスに対する姿勢は取引所ごとに違うっコ!
脱中央集権化が仮想通貨の世界の主流ではありましたが、今は伝統的金融(TradiFi)との関わりも重要になっています。
今後もKYCの流れは続くと思われますので、KYCなしにこだわりたい方は、KYCルールに絞って仮想通貨取引所を比較するのがいいでしょう。
海外FXで仮想通貨を取引するならFXGT!
銘柄数もボーナスも充実!
大手海外FX業者、FXGTの詳しい解説
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
コメント