【仮想通貨基礎知識】仮想通貨取引所にスプレッドはあるの? 国内と海外の違いも解説

仮想通貨取引所にもスプレッドがあるのか、またどの程度なのか気になる人のために、仮想通貨取引所のスプレッドの仕組みについて初歩から解説します。

仮想通貨取引所のスプレッドは、国内なのか海外か、また国内の場合は取引所なのか販売所なのかでも異なります。

らっこ

複雑なんだっコ!

スプレッドだけでなく、取引手数料が発生する場合もありますので、自分が取引したいサービス形態の取引コストの仕組みについて事前に調べておきましょう。

目次

仮想通貨取引所のスプレッドとは?

仮想通貨のスプレッドは基本的に、「売り成行注文が約定するレートと買い成行注文が約定するレートの差」です。

しかし、仮想通貨取引所や取引形態ごとに、スプレッドの幅や、スプレッドに業者側の利益が含まれているかどうかが異なります。

国内取引所では以下の3種類の取引形態がありますが、それぞれでスプレッドの扱いが異なります。

販売所仮想通貨取引所を相手とした取引(相対取引)
取引所利用者同士の取引(取引所取引)
仮想通貨FX現物を保有せず、売りと買いの差額だけを受け取る証拠金取引

板取引ではスプレッドが狭い

海外仮想通貨取引所や国内仮想通貨取引所の「取引所取引」では、ほかの利用者が出した注文が「板」に集められ、それを参考にして取引をする「板取引」が行われています。

この板取引では、スプレッドに業者の利益は含まれていません。別途取引手数料を支払うため、そちらが業者の利益になります。そのため、板取引では通常スプレッドが狭くなります

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板取引でのスプレッドは、利用者が出した売り指値注文の中で最も価格が低いものと、利用者が出した買い指値注文の中で最も価格が高いものの差になります。

業者の利益が上乗せされていないため、基本的にはスプレッドは狭くなりますが、利用者が現在レート付近に出している注文が少なければスプレッドは広くなります。

このため、利用者の多い取引所の方がスプレッドは狭くなります。

販売所と仮想通貨FXではスプレッドが広い

国内取引所の「販売所取引」と仮想通貨FXでは、スプレッドに業者の利益分が上乗せされていますので、スプレッドが広くなります。

この2つは利用者同士の取引ではなく、仮想通貨取引所を相手とした取引になるので、仮想通貨取引所がBid(売値)とAsk(買値)の2つのレートを提示し、その差がスプレッドとなります。

取引所取引などの板取引では取引手数料が別途発生することを考慮しても、販売所はスプレッドが広くコスト高になりますので、国内仮想通貨取引所で取引する際は「取引所取引」を利用することをおすすめします。

国内取引所と海外取引所のスプレッドの違い

国内取引所と海外取引所には、スプレッドに違いがあり、海外取引所の方がスプレッドが狭い傾向があります。

ただし、取引手数料が発生するかどうかも異なるので、どちらがお得か考える際には、スプレッドと取引手数料の両方を考慮する必要があります。

海外取引所はスプレッドが狭い

スプレッドは、Binance(バイナンス)などの海外取引所の方が狭いです。

理由は、板取引の仕組み上、利用者が多く指値注文が多いほどスプレッドが狭くなるからです。国内だけでなく全世界に利用者がいるBinanceは、ビットコイン(BTC)などのメジャーな仮想通貨ではほとんどスプレッドがないくらい狭いです。

Binanceと国内取引所の中でビットコインの取引量No.1のbitFlyer(ビットフライヤー)を比較すると、Binanceの方はスプレッドが1ドル未満なのに対し、bitFlyerでは1000円以上開くこともあります。(現物取引で比較)

BinanceとbitFlerのスプレッド比較

国内取引所は手数料無料の場合もある

国内取引所は、スプレッドがやや広い代わりに、Coincheck(コインチェック)など取引手数料無料のサービスを行っていることもあります。

板取引は、利用者間の取引なので、本来取引手数料はかかるはずなのですが、あくまでサービスで無料となっています。

bitFlyer(ビットフライヤー)などは海外取引所と同じく、スプレッド+取引手数料が発生するので、国内取引所は特に会社による制度の違いが大きいです。

一方で、Binanceなどの海外取引所では、スプレッドの他にもメイカー手数料またはテイカー手数料が取引コストとして発生します。

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国内取引所と海外取引所のスプレッドはどちらがお得?

国内取引所と海外取引所では、スプレッドと取引手数料の仕組みが違うので、どちらがお得かわかりにくいです。

また、スポット取引(現物)なのか、デリバティブ取引なのかでも異なります。

スポット市場とは仮想通貨の現物を売買する市場です。一方デリバティブ市場は、仮想通貨取引所でよく見られる永久スワップ契約や無期限先物契約などのことです。デリバティブとは、金融派生商品といい、先物、オプション、スワップなどの取引を行う市場の総称です。

スプレッドが変動するので、どちらがお得かは取引するタイミングによって変動するのですが、大まかなスポット取引の取引コストを比較してみました

スプレッドは板にどれくらい注文が出ているかによるので、そのときそのときで変動しますが、参考情報として、7月25日、ビットコイン=約382万円時点での取引コストを比較しています。、

※bitFlyerは「bitFlyer Lightning」、Coinchekは「Coincheck取引所」がスポット取引サービスです。

スプレッド取引手数料
bitFlyer1000~4000円程度約380~5700円(手数料0.01~0.15%)
Coincheck1000~4000円程度なし
GMOコイン1000~4000円程度約-380~1900円(メイカー手数料-0.01%、テイカー手数料0.05%)
Binanceほぼなし約760~3800円(メイカー・テイカー手数料0.02~0.1%)
Bybit
Bybit
数百円~2000円程度0~3800円(メイカー手数料0%、テイカー手数料0.1%)

bitFlyerとBinanceはどちらも、直近30日の取引量によって手数料が割引になる制度を採用しています。

取引量によって変わるので一概には言えませんが、Binanceは30日間の間に50BTC以上の取引をしない限り、最も高い手数料の0.1%がかかるため、ほとんどの人は0.1%が適用されます。

一方bitFlyerはそれよりも条件が緩く、直近30日間で200万円以上の取引量があれば0.1%まで手数料が下がります。

取引手数料一覧

国内取引所は取引するタイミングによって大きくスプレッドが変動するため、比較しにくいのですが、Binanceを基準に各仮想通貨取引所を比較してみます。

Binanceとビットフライヤーを比較すると、双方とも一般的な取引量であれば手数料が0.1%なので、スプレッドがほぼゼロな分Binanceが有利です。
・手数料が無料のコインチェックとBinanceを比較すると、コインチェックのスプレッドがかなり広がっている時間帯を除けばコインチェックの方がコスト安になります。
BinanceとGMOコインを比較すると、メイカー手数料ならGMOコインがコスト安ですが、テイカー手数料の場合はBinanceの方がコスト安になる傾向があります。
BinanceBybitを比較すると、メイカー注文の場合はBybit、テイカー注文の場合はBinanceがコスト安となります。

かなりややこしいですね。

メイカー・テイカーどちらで取引するかにもよるので、自分のトレードスタイルに応じて仮想通貨取引所を選ぶのがいいでしょう。

Bybitはこれまで現物取引を扱っておらず、デリバティブ取引専門でしたが、2021年7月に現物取引サービスを開始しました。スプレッドに関しては変動幅が激しいですが、メイカー手数料が無料なので、指値注文メインのトレーダーは比較的低コストで取引ができます。

BinanceBybitなどの海外取引所は、日本の金融庁の規制を受けていないというデメリットがありますが、取引可能な銘柄や、DeFiなどの特殊なサービスが多いため、利用する人が多いです。

らっこ

特に銘柄数の違いは大きいね!

まとめ

仮想通貨取引所は、スプレッドと取引手数料のシステムがバラバラなので、取引コストが安い取引所を探す際は、両方を合算して比較するようにしましょう。

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