AAXは、2022年にFTX破綻の影響を受けて営業を停止しています。
仮想通貨のデリバティブ取引所にはBybit(バイビット)やBinance(バイナンス)など様々な取引所がありますが、今回はあまり聞きなれないAAXという取引所を紹介します。
AAXは取引所としてのポテンシャルが非常に高いのですが、チャットサポートが日本語に対応していないため、まだ日本人の利用者は少ない状況です。ただ、公式サイトはすでに日本語に対応しているため、今後チャットサポートが日本語に対応し、より使いやすくなる可能性もあります。
機械翻訳などを活用して、海外取引所を利用することに慣れている人には、おすすめできる取引所です。
この記事では、AAXのメリット・デメリットについてじっくり解説していきます。
AAXってどんな取引所?
AAXは2018年にフィンテック企業であるATOM International Technology PrivateLtdによって設立されました。ロンドン証券取引所グループが提供する「LSEGテクノロジー」を世界で初めて採用した仮想通貨取引所です。
ロンドン証券取引所グループのサイトでは、このLSEGテクノロジーを利用することで、深い流動性を管理し、一流の金融市場と匹敵するスピードで大量の注文を処理できるとされています。
AAXは主に中国とロシアを中心としたユーザーが多く、低レイテンシーと高流動性を売りにしており、海外の利用者からは一定の評価を得ています。また、仮想通貨トレーダー御用達のアプリ、「bybt」においてもAAXがリストされ、徐々に注目を集めています。
AAXは独特なセンスの光るキャンペーンが多く、競合他社と比較しても市場の流行を掴む事が得意な印象を受けます。
取引量ランキングは20位
CoinMarketCapの取引量ランキングでは、デリバティブ取引が20位台、現物取引が40位台です。
デリバティブ取引の20位台だと、他にはMEXCやbitFlyerがいますので、中堅といったところですね。
トレード方法はBybitやBinanceとほぼ同じ
AAXの取引画面は、仮想通貨取引所を日頃から利用している方にとってはおなじみの画面ですね。BinanceやBybitと同様の画面です。
デリバティブ(先物取引)の注文パネルは、指値、マーケット(成行)、逆指値の3種類で、標準的なパネルとなっています。
売買したい価格と数量を入力し、ロング(買い)またはショート(売り)をクリックすると発注します。また、板情報の価格をクリックすると、その価格での発注が可能です。
数量は、銘柄によって異なる契約単位(Contr)での発注になります。BTCUSDの場合、契約単位が1ドルなので、ドルでの金額を入力すると、その金額分のポジションを持つことができます。この画面ではBTCの価格が45,885ドルですが、45,885ドル分の注文で1BTC分、4,588.5ドルの注文で0.1BTC分という計算になります。
ピンク枠のレバレッジは、スライドすることで1倍から100倍の間で変更が可能です。過度なレバレッジには注意しましょう。
AAXのメリット
AAXは、取引手数料の安さが大きなメリットです。デリバティブ取引のテイカー手数料が安い上、現物取引はなんと無料です。
- デリバティブ取引のテイカー手数料が安い
- 現物取引手数料が無料
- AABを使用すると取引手数料が割引
- プロモーションが豊富
- 2種類のセービングが可能
デリバティブのテイカー手数料が安い
AAXの大きなメリットは、デリバティブ市場の取引手数料が、Binance(バイナンス)と同じ【メイカー手数料0.02%/テイカー手数料0.04%】に設定されていることです。
実は、デリバティブの取引手数料がこの水準に設定されている取引所はかなり少数なのです。
成行を多用するトレーダーは、Bybit(バイビット)のようにテイカー(成行注文)に不利な取引所はデメリットが大きいため、Binanceを利用しているトレーダーが多いはずです。
Binanceと同じ【メイカー手数料0.02%/テイカー手数料0.04%】の取引手数料のAAXは、Binanceからの移行先または同時使用する取引所として、有力候補のひとつとなるでしょう。
また、AAXではAABを使用することにより、さらに手数料を削減することが可能になります。
現物取引手数料が無料
AAXでは現物の取引手数料を完全無料にするキャンペーンを開催しています。一旦手数料は支払うのですが、手数料を支払った仮想通貨で週に1回ウォレットに払い戻されます。なお、払い戻す前に支払う取引手数料も安く、【メイカー手数料0.06%/テイカー手数料0.1%】です。
2021年8月1日から開始されたキャンペーンで、終了時期は未定(終了する場合は別途告知)となっています。
長くやってるキャンペーンだポン!
Bybitも取引手数料無料を実施していますが、あちらはテイカー手数料が発生することに対し、AAXではテイカー手数料も無料であるため成行も行う現物トレーダーにはこの上ないほどの良環境です。
筆者は頻繁に仮想通貨の現物取引を行うのですが、仮想通貨現物のデイトレードでも資金量によっては、充分に満足な収入を得ることが可能です。
仮想通貨の短期取引と言ったらデリバティブというイメージが強いですが、現物も頻繁に取引をするスタイルの方にはAAXは最高の環境です。
AABを使用すると取引手数料が割引
AABはAAXのネイティブプラットフォームトークン(取引所トークン)です。同じ類の取引所トークンにはBinanceの発行するBNBや、Huobiの発行するHTなど様々なものがあります。Binanceの発行するBNBはあまりにも有名ですね。
AAXでも、AABを手数料の支払いに使用することで、取引手数料を最大20%ディスカウントすることが出来ます。20%オフ後の取引手数料は、【メイカー手数料0.016%/テイカー手数料0.032%】と、業界トップクラスの手数料の安さです。
ここで「もしAABが暴落したらどうするの?」という声も聞こえて来そうですが、AAXではAABの価格の維持のために、AABの買戻しと焼却を行っています。
AABは、先物市場でAAXが獲得したすべての取引手数料を資金源とする、毎日の買い戻しとコインバーンを行っています。つまり、AAXの先物取引量が増えることは、AABの流通量が減少するということになります。AAXでは日々先物市場の取引高も上昇しています。これはAAXの先物取引の出来高をみる事でも確認できます。ここからさらに日本のユーザーを取り込むことが出来れば、AAXの取引高はまだまだ上昇していくでしょう。
AABのバイバック・トークンバーンシステムは、AAXの利用者が増えるほど価格の下落を抑え、上昇圧力になる事が期待できます。現時点ではまだ知名度の低いAAXですが、仮想通貨は何が起こるか予想できません。かつては怪しい草コイン取引所であったBinanceがここまで成功しているのですから、AABを今保有すればアーリー層として大きな価格高騰の恩恵に授かれるかもしれませんね。
プロモーションが豊富
AAXはプロモーションが豊富で、2021年9月現在は下記キャンペーンを開催しています。
- 時間制限特典キャンペーン(Time-limited Benefits)
- トークン割引キャンペーン(Token discount Campaign)
- 夏季ソラナキャンペーン(Solana Summer)
キャンペーン情報は上部の「キャンペーン」メニューから確認できますが、残念ながら日本語化されていません。
簡単に説明すると、時間制限特典キャンペーンは、画面に表示される期間中に、販売所サービスにあたる「Fast BUY」機能で100USD以上の仮想通貨を購入すると、1,000USDTがもらえるあたりのカードを引くチャンスがもらえるというものです。また、カードの中には5つ集めると別のプレゼントがもらえる鍵が入っている可能性もあるそうです。
ついカードを引きたくなるようなおもしろいキャンペーンですね。
また、これとは別に、先物アカウントの「ボーナス」タブでボーナスチケットも利用できます。
AAXのボーナスは、トレードの証拠金として利用できるものの、「このボーナスを利用してオープンしたポジションは、24時間経過後に自動決済される」という制限がついているので注意しましょう。
また、ボーナスを利用するには、身分証を提出して本人確認(KYC)をLevel 1まで終わらせる必要があります。KYCの方法については、この記事にまとめました。
2種類のセービングが可能
ステーキングなど、仮想通貨を預け入れることで利子報酬を受け取るサービスは、AAXでは「セービング」と呼ばれています。
決められた期間資産をロックして行う固定期間セービングと、いつでも追加・引き出しが可能なフレキシブルセービングの二種類のサービスがあり、固定セービングの推定年利は4%~60%程度、フレキシブルセービングの推定年利は2.5%~10%程度です。
現物を長期保有する予定なら、こうしたサービスに対応しているのはうれしいですね。
AAXのセービングの具体的なやり方については、この記事にまとめました。
AAXのデメリット
AAXの最も大きなデメリットは、日本語対応が不十分なことです。そのほかにも、下記のようなデメリットがあります。
- 本人確認(KYC)なしでは一部機能が制限される
- 日本語対応が十分ではない
- 先物取引の銘柄が少ない
本人確認(KYC)なしでは一部機能が制限される
本人確認(KYC)をしない場合の制限は、1日あたりの出金額のみの仮想通貨取引所が多いですが、AAXはそのほかの機能も制限されます。
具体的には、KYCを行わない段階では、現物取引と先物取引が行えるのみで、セービングやボーナス、P2P取引などの利用ができません。
機能制限は多いですが、1日あたりの出金額はKYCなしでも2BTCとかなり高いため、現物取引と先物取引が行えれば十分という人は、KYCなしで使い続けることも可能です。
AAXのKYCについては、この記事にまとめました。
日本語対応が十分ではない
日本語対応はまだ十分ではなく、「サイトの一部が日本語に翻訳されているが、一部は英語のまま」「チャットサポートは日本語非対応」という状況です。
このため、現状では、英語が読める人か、機械翻訳でなんとか対応することに慣れている仮想通貨上級者向けの取引所になっています。
日本語サービスは今後に期待ですね。なお、チャットサポート自体は悪くありません。
先物取引の銘柄が少ない
先物取引で扱われている仮想通貨の種類は10種類と少なめです。現物の方が銘柄数は多く、約90種類の仮想通貨が取り扱われています。
ただ、取引量からみてもわかる通り、取引所としてはデリバティブ取引の方に力を入れています。やはり、テイカー手数料が安いことがトレーダーに評価されているようです。
AAXはポテンシャルが凄い(まとめ)
仮想通貨取引所は流動性不足であったり、セキュリティの面で不安であったりと、新しい業者を使う事に抵抗がある方も多いでしょう。
AAXでは運営チームがはっきりとしていることや、厳格なイギリスのロンドン証券取引所グループのシステムを利用していることなど、新興取引所にありがちな不透明な部分も少なく、日本で普及していない事が不思議なくらい優良な取引所です。
仮想通貨ブームが加熱するにつれ、新しい取引所を紹介する方もだんだんと増えてきますので、AAXが普及するのも時間の問題のように思います。
筆者は取引手数料の安さや、現物取引手数料無料が気に入り、実際に資金を投入しAAXで運用しています。もちろん手数料を安く済ませたいので、AABも保有しています。こういった優秀な取引所というのは、ライバルが少ないうちからどんどん利用していくべきだと思います。みなさんも日本人への普及に先駆けて、AAXを利用してみてはどうでしょうか。
口座の開設方法や本人確認(KYC)のやり方については、この記事にまとめました。
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